2025年01月05日
ブラックバード、ブラックベリー、私は私。(原題:Shashvi shashvi maq'vali’)
監督:エレネ・ナヴェリアニ
原作:タムタ・メラシュヴィリ
撮影:アグネス・パコズディ
出演:エカ・チャヴレイシュヴィリ(エテロ)、テミコ・チチナゼ(ムルマン)
エテロは48歳で独身。ジョージアの小さな村で育ち、母親が病気でなくなってからは父と兄の世話を続けてきた。今は一人になって雑貨店を営んでいる。ブラックベリーを摘んでいたエテロは、ブラックバード(クロツグミ)の声に気をとられて崖から足を滑らせてしまう。なんとか自力で這い上がると、村人たちが自分の遺体を囲んでいる臨死体験をする。店に戻った彼女は、いつものように商品の配達に来たムルマンを思わず見つめてしまう。性衝動にかられ、48歳にして初体験をした彼女はムルマンが自分に好意を持っていたことを知る。噂好きの村人たちに知られないように、ムルマンとの約束を心待ちにするようになった。
エテロを演じたエカ・チャヴレイシュヴィリは、主に舞台で活躍する女優さん。太い眉に鋭い目、どっしりとした存在感のある体型は、ゆるぎない意思と生活力を感じさせます。
ジョージアは戦前の日本のような家父長制が残っていて、独り身の女性には風あたりが強いようです。口さがない女たちは、エテロが結婚せずにいることや体型を揶揄しますが、独り身の自由を謳歌しているエテロは、取り合いません。失礼な物言いにはきっちりと反論もし、全く正論で溜飲が下がります。エテロは街に出かけて、好きなケーキを食べ、女性カップルの店で話に花を咲かせ、と自分一人の楽しみもちゃんと持っています。友人の娘とは年の離れた友達付き合いができます。既婚者のムルマンと親しくなって、乙女のようにときめきますが独り占めにしようなどとは思いません。
こんな「お一人様」人生もいいなぁと思っていると、想定外のラストが!これは吉なのか?(白)
2023年/ジョージア、スイス/カラー/ジョージア語/110分
配給:パンドラ
(C)- 2023 - ALVA FILM PRODUCTION SARL - TAKES FILM LLC
http://www.pan-dora.co.jp/blackbird/
★2025年1月3日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺にて公開中
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