2024年12月25日

私にふさわしいホテル

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監督:堤幸彦
原作:柚木麻子「私にふさわしいホテル」(新潮文庫刊)
脚本:川尻恵太
音楽:野崎良太(Jazztronik)
主題歌:奇妙礼太郎「夢暴ダンス」(ビクターエンタテインメント)
出演:のん(加代子)、田中圭(遠藤道雄)、滝藤賢一(東十条宗典)、田中みな実(明美)、服部樹咲(有森光来)、髙石あかり(東十条美和子)、橋本愛(書店員)橘ケンチ(EXILE)(俳優)、光石研(支配人)、/若村麻由美(東十条千恵子)

新人賞を受賞した中島加代子、夢見た華々しいデビューがすぐそこに。しかーし大御所作家・東十条宗典の酷評により、小説を発表する場も得られず単行本もない!失意の加代子は自腹で憧れの「山の上ホテル」に宿泊する。文豪が愛したこのホテルで加代子は良い作品を書くつもりだ。ところが、大学の先輩で編集者の遠藤が訪ねてきて、にっくき東十条がこの上階にカンヅメになっていると知った!
恨みが再燃した加代子は、東十条の執筆の邪魔をして原稿を落とさせ、自分の原稿を押し込もうと画策する。あの手この手で計画を成功させ、次なる対決へと駒を進める。

奇想天外な作戦にそんなアホな、と呆れるなかれ。のんさんの魅力がさく裂、くるくる変わる表情、夢をあきらめずに挑戦していく加代子がぴったりです。出世魚ばりにペンネームを変え、そのたびに全く違う雰囲気・衣装で登場します。このスタイリストも「のん」さんで同じ名前。ややこしいので、のんさんは役名の「加代子」で呼ぶようになったとか。現場の楽しさがそのまま作品にも表れているようです。
受けて立つ大御所作家・東十条を滝藤賢一さん、このモデルはあの作家先生か?といろいろ想像させる演じっぷりです。加代子が先輩と慕い、頼りにしていた遠藤を田中圭さん、理不尽な文学界を泳ぎ切る世渡り上手な編集者が板についています。そのパパの上をいくのが賢い娘たちで、笑いました。
柚木麻子さんの小説では『伊藤くん A to E』が2018年に映画化、これは男性一人をめぐる女性たちの恋模様。今回は摩訶不思議な文壇の端っこにつかまって奮闘する女性小説家。柚木さんもデビュー以来こんなご苦労をされたのかと想像してしまいました。本作は「山の上ホテル」(今年の2月に休館)で撮影された貴重な作品でもあります。(白)


2024/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch98 分/G
配給:日活/KDDI
企画協力:新潮社 特別協力:山の上ホテル
(C)2012 柚木麻子/新潮社
(C)2024「私にふさわしいホテル」製作委員会
https://www.watahote-movie.com/
https://x.com/wands_movie
★2024年12月27日(金)より全国ロードショー


posted by shiraishi at 23:01| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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