2024年12月22日
苦悩のリスト 原題:The List ★「ヴィジョン・オブ・マフマルバフ」
監督:ハナ・マフマルバフ(『ハナのアフガンノート』『グリーンデイズ』)
撮影:ハナ・マフマルバフ
プロデューサー:メイサム・マフマルバフ
製作:マフマルバフ・フィルム・ハウス
出演:モフセン・マフマルバフ、マルズィエ・メシュキニ、メイサム・マフマルバフ、ハナ・マフマルバフ、ハナの子ども
2021 年 米軍撤退~タリバン再侵攻
その恐怖政治から逃れられるのはほんのわずかな人々だけ
膨大なリストの中から、誰を助けるのか ―
2021 年 5 月、アフガニスタンからのアメリカ軍撤退を契機にタリバンが再侵攻を開始、国外脱出しようとする市民で空港はパ ニックに陥った。7 月には全土を掌握したタリバンからの迫害や処刑等、生命の危機に直面したアーティストや映画製作者を救うための救援グループが発起。モフセン・マフマルバフ監督はじめファミリーも約800人の「リスト」を元に各所への呼びかけしてゆく中、リストから人数を絞らなければならないという苦渋の選択を迫られる...。
パニックに陥る空港周辺の市民たちと、遠く離れたロンドンで交渉に当たるマフマルバフ監督らが追い詰められてゆく状況が交差する、緊迫のポリティカルドキ ュメンタリー。
マフマルバフ一家も、イランからパリを経てロンドンに逃れている身。ロンドンの自宅から、電話とパソコンを駆使して必死になって国外脱出を手助けしようとする一家の姿を、末娘ハナが映し出しています。「おじいちゃん、おばあちゃん」のまわりをうろつく幼い子どもたちが可愛い。ハナの兄メイサムも、おじさんになったなぁ~と、マフマルバフ一家の今に感慨深いものがありました。(咲)
去年、山形国際ドキュメンタリー映画祭で観た時の緊迫感が忘れられない。カブールの空港に押し寄せ脱出を試みようとする人々。それらの人々すべてを脱出することはできない。苦悩のリスト作りと、忙しく交渉をするマフマルバフ監督の姿やサポートする兄メイサムの姿を映像に収めたハナ。きしくもこれは、アフガニスタン、カブールでの状況も映し出した。脱出する人々に手を貸すマフマルバフ一家の姿を観ながら、ハラハラドキドキするしかない自分を恥じた(暁)。
2023 プサン国際映画祭 正式出品
2023 山形国際ドキュメンタリー映画祭 クロージング作
2023/イギリス、アフガニスタン、イラン/67 分/カラー/DCP/英語、ペルシャ語
配給:ノンデライコ
企画:スモールトーク
公式サイト:http://vision-of-makhmalbaf.com/
★2024年12月28日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて
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