2024年11月22日
雨の中の慾情
監督・脚本:片山慎三(『さがす』)
原作:つげ義春「雨の中の慾情」
出演:成田凌
中村映里子 森田剛
足立智充 中西柚貴 松浦祐也 梁秩誠 李沐薰 伊島空
李杏 / 竹中直人
土砂降りのバス停。雨宿りする女に、「金物をつけていると雷に打たれる」と注意して、一枚、また一枚と服を脱ぎ、下着姿で泥まみれになって絡み合う・・・
奇妙な夢から覚めた売れない漫画家の義男は、夢を漫画に起こそうと机に向かう。そこへ大家の尾弥次から、引っ越しの手伝いに駆り出される。小説家志望の伊守と3人で向かうと、その家の寝室には、一糸まとわぬ姿で寝ている美しい未亡人の福子がいた。思わず見とれてスケッチを始める義男。目覚めた福子は、「触るんじゃなく描くのですね」と声をかける。
町の喫茶ランボウで働き始めた福子のもとには、老いも若きも男たちが通い詰める。義男もべた惚れ状態で、伊守にからかわれるが、ある日、伊守から「福子と付き合っている」と打ち明けられる。やがて伊守と福子が義男の家に転がり込んできて、3人の奇妙な共同生活が始まる・・・
漫画家・つげ義春の短編「雨の中の慾情」をもとに、片山慎三監督が作り上げた独創性あふれる数奇なラブストーリー。
義男の住む貧しい北町から、南北検閲所を抜けて豊かな南町に行くという場面があって、いつの時代の、どこの国なのかも明かされないのですが、とても不思議なシチュエーションでした。ほぼ全編を台湾で撮影していて、南町にある白亜の豪邸は、実際にある建物なのだそうです。
戦時中の野戦病院のような場面もあって、どこまでが現実なのか、夢なのか、くらくら。
竹中直人さんの、怪しげな大家ぶりが可笑しかったです。
東京国際映画祭のコンペティション部門に選ばれ、2024年10月30日10時からのジャパンプレミアの上映後、舞台挨拶とQ&Aが行われました。
成田凌さんび「朝早くから観る映画じゃないですね」「台湾での撮影が大変というより、片山監督の現場だから大変。でも楽しんだから大丈夫」という言葉が印象に残りました。(咲)
2024年製作/132分/R15+/日本・台湾合作
製作:映画『雨の中の慾情』製作委員会
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
公式サイト:https://www.culture-pub.jp/amenonakanoyokujo/
★2024年11月29日(金) TOHOシネマズ日比谷ほかにて公開
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