2024年11月07日
ネネ -エトワールに憧れて- 原題:Neneh Superstar
監督・脚本:ラムジ・ベン・スリマン
出演:オウミ・ブルーニ・ギャレル、マイウェン、アイサ・マイガ、スティーヴ・ティアンチュー、セドリック・カーン、レオノール・ポラック
パリ郊外の団地で暮らす12歳の黒人の女の子ネネ。
ラップにあわせて踊りながら駅に向かったと思ったら、ホームでは片足をすっとあげてバレエのポーズ。父に付き添ってもらってパリ・オペラ座バレエ学校の入学試験に向かう。白人ばかりの受験生の中で、最終試験に残り、憧れのパリ・オペラ座の最高位“エトワール”だった校長マリアンヌの前で見事な踊りをみせる。バレエ団の総監督が最高点合格と言う中、マリアンヌは「バレエは白人のもの」と懸念を示す。それでもネネは入学を許され、厳しい練習の日々が始まる。公開授業で白雪姫を上演することになるが、「上手いけど白雪姫は黒人じゃない」とネネは同級生たちからいじめられる。そんなある日、ネネは憧れのマリアンヌの隠された出自を知る・・・
2024年3月 横浜・フランス映画祭に正式出品され、その折に、ラムジ・ベン・スリマンという監督のお名前と、黒人の少女がパリオペラ座のバレエ学校に挑戦するという話に興味を持ち、監督にインタビューのお時間もいただいていたのですが、体調を崩され来日できず、取材は叶いませんでした。監督はフランス生まれですが、お名前からして、ルーツは北アフリカとお見受けし、そのことがこの映画にも反映されていると思った次第です。
黒人の少女が、白人世界と思われていたバレエに挑戦する物語がメインと思っていたら、かつてエトワールに上り詰め、校長をしているマリアンヌにも誰にも言えない秘密があって、この映画の核になる話でした。
ネネが通う郊外の学校で、同級生たちに「団地を出れば、黒人やアラブ系が、どれほどひどい扱いをされるかわかる」という場面がありました。 世界は、多様な人たちが共存するどころか、人種や宗教、貧富の差などによって、ますます分断しているのを感じます。
この映画が多様な人たちの共存に繋がるヒントになってほしいと願います。(咲)
2024年3月 横浜・フランス映画祭正式出品
2022年/フランス/97分
字幕翻訳:星加久実
配給:イオンエンターテイメント
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ/ユニフランス
公式サイト:https://neneh-cinema.com/
★2024年11月8日(金)より全国公開
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