2024年9月25日より東京写真美術館ホール、9月27日よりシネスイッチ銀座ほか
全国順次公開 劇場情報
彫刻庭園「タロット・ガーデン」を巡るドキュメンタリー
監督・撮影・脚本:松本路子
ナレーション:小泉今日子
編集:池田剛 音楽監修:青柳いづみこ
オリジナルエンディング曲:黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)
「ナナ」シリーズなど、カラフルでエスプリあふれる女性像で知られるフランス生まれのアーティスト、ニキ・ド・サンファル(1930-2002)。
70年代に女性解放運動の女性たちや第一線で活動する石岡瑛子、オノ・ヨーコ、草間彌生をはじめ女性アーティストの肖像も撮り、「のびやかな女たち」(1978)という写真集を出版した写真家の松本路子さん。世界で活躍する女性アーティストに目を向け、80年代、スウェーデンで制作された巨大な女性像「ホーン」のことを知り、ニキ・ド・サンファルに出会ったのは1981年。
既成の価値観と闘い続けた20世紀最初のフェミニスト・アーティストとも呼ばれるニキ・ド・サンファルに魅了された松本さんは、ニキの大胆にして繊細、何よりも自由な発想と遊び心に魅せられ写真撮影を続け、1986年には写真集「ニキ・ド・サンファール」(パルコ出版)を出版。以来10数年にわたり、ヨーロッパ各地で作家と作品を撮影しつづけていた。
そんな松本さんが、「人生でやり残したことは何だろう?」と考えたとき、「ニキが構想を語ってくれたタロット・ガーデンの完成した姿を観ていない」ということを思い出し、本作品を製作した。2018年から始め、途中、コロナ禍で中断したが、今年完成。二人のたどってきた道が交差し、過去から現代、そして未来に向けての歴史をつなぎ、ニキ・ド・サンファルの軌跡を伝える作品ができた。
下記公式HPより
ニキ・ド・サンファルはフランス貴族の娘として誕生。女性としての様々な困難を怒りと共にアートに反映させてきた時代を経て、開放感に包まれた女性像「ナナ」シリーズを創作。20世紀のヴィーナスとも呼べるカラフルで陽気なナナは徐々に巨大化していく。さらに遊び心あふれる数々の野外彫刻や建造物を創り、その集大成として生まれたのが「タロット・ガーデン」である。イタリアはトスカーナのオリーブの森にあるこの彫刻庭園には、大アルカナのタロットカード22枚の寓意画が彫刻や建物として作られている。奇想天外で愉快なマジカルワールドは、だれもがワクワクする空間となっており、現在も多くのファンが訪れている。
私も1975年頃から女性解放運動の写真を撮り始め、運動に参加していました。松本さんは写真家として参加していたのでしょうが、私は運動に参加しながら記録として撮っていました。松本さんにも数回、出会いました。松本さんは1978年に「のびやかな女たち」を出しているので、私とはすれ違いだったと思います。私は1975年から1989年頃まで彼女たちのことを撮っていました。
「のびやかな女たち」のあと、何度か松本さんの写真展にも行き、ニキ・ド・サンファルのことを知りました。なんだか不思議な創造物を創る人だなと最初は思ったのですが、色彩の美さ、形、表現のユニークさにとても惹かれていきました。松本路子さんが、集大成であるこの映画を作ったと知り、これはどうしても観なくてはと思いました。ニキ・ド・サンファルのタロット・ガーデンについては、他にもドキュメンタリーで観たことはあるけど、20年かかって創ったニキ・ド・サンファルの仕事を、このタロット・ガーデンの構想から聞いていた松本さんの視点で描いたのは、また興味深い。それにニキだけでなく、娘さん、お孫さん、その他、ここの制作に関わった人達にも取材している。よりいっそうタロット・ガーデンの成り立ちについて知ることができる(暁)。
【公式サイト】https://nikifilm-project.com/
製作:ニキの映画を創る会
助成:ポーラ美術振興財団、クラウドファンディングPLAN GO、藤田晴子の会、上野千鶴子基金
後援:ニキアート財団 グラフィックデザイン:辛嶋陽子
配給・宣伝:ミモザフィルムズ 宣伝協力:クレスト
2024年/日本/日本語/76分/カラー&モノクロ/1.78:1/ステレオ
2024年09月22日
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