2024年09月15日
画家ボナール ピエールとマルト 原題:BONNARD, Pierre et Marthe
監督:マルタン・プロヴォ(『セラフィーヌの庭』)
出演:セシル・ドゥ・フランス、ヴァンサン・マケーニュ、ステイシー・マーティン、アヌーク・グランベール、アンドレ・マルコン
1893年、ピエールとマルトは画家とモデルとしてパリで出会う。ブルジョア出身のピエールは謎めいて型破りなマルトに強く惹かれ、二人はともに暮らし始める。田舎に家を見つけ社交的な世界から遠ざかり、クロード・モネなど限られた友人との交流を除いては半ば隠遁生活の中で絵画制作に励むピエール。マルトをモデルにした赤裸々な絵画は評判となりピエールは展覧会で大成功をおさめる。1914年第一次世界大戦が始まった夏、仕事で毎週パリに赴くピエールに不安がつのるマルト、終戦間近にはパリのアトリエでピエールのモデルになっている美術学校生ルネと出くわす。なぜかマルトはルネを気に入り3人の関係は複雑なものに…。
ピエールが生涯で描いた2000点もの作品の3分の1は、マルトを描いたもの。それほどまでに愛していたはずなのに、若いルネに惹かれ、マルトを裏切ったピエール。まったく~と唸りますが、マルトは思いもかけない3人の関係の構築します。あっぱれです。苦悩を抱えながら、堂々と振る舞うマルトをセシル・ドゥ・フランスが体現しています。
セシルとお会いしたのは、『モンテーニュ通りのカフェ』(06)が横浜フランス映画祭で上映された時のことでした。若くてはつらつとしたセシルでした。本作では、20代から70代までのマルトを演じ切り、円熟した姿を見せてくれました。絵のモデルになるだけでなく、自らも筆をとったマルトを生き生きと演じています。
今後、ピエール・ボナールが描いたマルトを観るときには、セシルの姿が思い浮かびそうです。(咲)
*横浜フランス映画祭2024 観客賞受賞
*第76回カンヌ国際映画祭 カンヌ・プルミエール正式出品
2023 年/123 分/フランス/配給:オンリー・ハーツ
⽇本語字幕:松岡葉⼦
配給:オンリー・ハーツ
後援:在⽇フランス⼤使館、アンスティチュ・フランセ
公式サイト:https://bpm.onlyhearts.co.jp/
★2024年09月20日(金)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開
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