2024年09月13日

あなたのおみとり

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©️ EIGA no MURA

製作・監督・撮影・編集:村上浩康
出演:村上壮 村上幸子

家での最期を希望した父と、看取りを決意した母。
息子のカメラが映し出す、戸惑いと焦燥、驚きと喜び、感謝と労い…。
生と死に向き合う日々をありのままにみつめたドキュメンタリー。


「うちに帰りたい」。末期癌で入退院を繰り返していた父の言葉で、母は家での看取りを決意した。介護ベッドを置き、ヘルパーさんや訪問看護師さんが出入りする自宅で始まった父と母の新しい生活。ベッドから動けない父は何かと世話を焼く母に「ありがとう」と口にするようになり、母はできる限り父の近くで時間を過ごすようになった。少しずつ食事が摂れなくなり、痩せ、目を瞑る時間が増えていく父。持病の悪化で自身の健康にも不安を抱えることになった母。ヘルパーさんたちは毎日父の元を訪れ、丁寧にケアを行い、時に母の相談相手にもなってくれている。閉じていく命の前で広がっていく人と人のつながり。生と死のあわいに訪れる、夢のようなひととき。

ほとんど意識のなくなってしまったお父さんにお母さんがかける言葉に、思わず笑ってしまう場面もあって、看取りを記録した映画なのに、重い気持ちにならずにすみました。次々に童謡を歌って聞かせるお母さんに、お父さんもいい人生の最後を送ったと思いました。
家での看取りの日々は40日。訪問介護やヘルパーさんの助けがあってこそ出来た家での看取り。私の母は、入院して40日後に旅立ちました。毎日、病院に通いましたが、家で看取ることができたならと今でも思います。
お父さんの海に遺灰を撒いてほしいとの遺言で、松島湾で海洋葬を行われた場面も映し出されました。遊覧船の会社が手配してくださるそうで、5組一緒なら、7万円と言われたけれど、さすがに撮影するので30万円で貸切にされたとのこと。喪服は目立つので、普通の服装でと言われたそうです。遺灰を撒いたあとは、島巡り1時間。晴れやかな気持ちで帰ることができたと村上監督。 1周忌には、お母様と二人で松島湾遊覧船に乗って偲ばれたそうです。
本作は、お父様の最期の日々を映し出したものですが、同時にお母様の姿も映し出したものになっていて、どちらかというとお母様が主役にも見えました。お母様がいつか旅立たれてしまったとき、この映画は監督にとって大事な宝物になることと羨ましいです。(咲)



2024年/ 日本/ 95分
配給・宣伝:リガード
公式サイト:https://www.omitori.com/
★2024年 9月14日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開



posted by sakiko at 18:10| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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