2024年09月07日
ぼくのお日さま
監督・脚本・撮影・編集:奥山大史
音楽:佐藤良成
主題歌:ハンバート ハンバート「ぼくのお日さま」
出演:越山敬達(タクヤ)、中西希亜良(さくら)、若葉竜也(五十嵐)、山田真歩(三上真歩)、潤浩(コウセイ)、池松壮亮(荒川)
タクヤは吃音をもつアイスホッケーが苦手な少年。ホッケーのあと、フィギュアスケートの練習をする少女さくらに目が留まる。美しい姿勢となめらかな動きに見とれているタクヤにフィギュアコーチの荒川が気づいた。元選手の夢を諦めて、今は教える側となった。タクヤがホッケー靴のまま、ステップを真似て転んでばかりいるのを笑顔で見ている。自分の靴を貸して、一から指導することにした。
タクヤは親から「ホッケーかフィギュアかどっちかにしなさい」と言われている。さくらは荒川の指導を受け入れて、タクヤとペアでアイスダンスを始めた。3人の心が少しずつ近づいていく。
1作目の『僕はイエス様が嫌い』(2020年)奥山大史監督、待たれた2作目です。主題歌の「ぼくのお日さま」のぼくは、タクヤそのまま。この歌と監督のフィギュアスケートの思い出から生まれた作品。池松壮亮さんと知り合っていつか一緒に作品をとお互いに思っていたのが実現しました。
池松さんは制作過程から関わり、撮影が始まると主役が初めての越山くん、映画出演が初めての中西さんを映画の役と同じように見守ったようです。奥山監督は俳優から自然に生まれてくるものを重視し、子役には脚本を渡していないそうです。ベテランの池松さんの存在は大きかったでしょうね。
元選手でコーチ役の池松さんだけがスケートの経験がなく、撮影の半年前から特訓したとか。俳優さんはなんでもこなさなくてはいけないんです。画面で観るかぎり堂々としています。カメラも自ら持つ奥山監督は自分もスケートを履いて滑りながら撮影しています。
前作は小さなイエス様の登場にちょっと驚きましたが、静謐で品のある作品でした。今回はもうすこし多く人の感情が出ています。
タクヤとさくら、荒川の3人が冬の間だけ交差し、幸せな時間が流れます。この場面だけでひたひたと満たされたような気がしました。(白)
2023年/日本/カラー/90分
配給:東京テアトル
(C)2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS
https://bokunoohisama.com/
★2024年9月13日(金)テアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
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