2024年09月07日

とりつくしま

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監督・脚本:東かほり
原作:東直子「とりつくしま」(筑摩書房刊)
撮影:古屋幸一
音楽:入江陽
出演:橋本紡(佐伯こはる)、櫛島想史(佐伯渉)、小川未祐(りお)、楠田悠人(樹)、中澤梓佐(涼子)、磯西真喜子(さゆり)、柴田義之(秋彦)、安宅陽子(小林環)、志村魁(小林陽一)、小泉今日子(とりつくしま係)

人生が終わってしまった人が、あの世に行く前に「とりつくしま係」に会って「この世の何かにとりついて戻ることができる」と聞きます。
4人がそれぞれ4つのモノにとりついてみた。
夫のお気に入りのマグカップになった妻、大好きなジャングルジムになった男の子、孫にあげたカメラになったおばあちゃん、息子が使う野球のロージンになった母、4つのお話。

東直子さんの小説を映画化した作品。東かほり監督は実の娘さんです。
この映画のように、先に逝った大切な人が見守ってくれていると思えたら心強いです。いや、へたなことはできないな。安心して逝ってもらいたい気持ちが半分。自分が死んだあとのことは想像できなけれど、「とりつくしま係」に会えたなら自分は何にとりつくだろう??いろいろ考えてみましたがやっぱり決められませんでした。できれば風になってあちこち廻るのが向いていそう。
原作では一番最初のお話の「ロージン」が映画では最後になっていました。ロージンというのは、野球のピッチャーがマウンドで使う滑り止めの粉が入った袋です。ピッチャーが投球前にポンポンと手にするたび、粉が舞ってだんだんと減っていきます。どの物語も先に逝かねばならなかった人の気持ちが想像できるのですが、これが最後のシメになって余韻と涙が残りました。
とりつくしま係が小泉今日子さんで、そのお部屋が学校の教室みたいで、手にしているのが(過去帳?)紙の綴りというのもいいです。(白)


2024年/日本/カラー/90分
配給:ENBUゼミナール
(C)ENBUゼミナール
http://toritsukushima.com/
★2024年9月6日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開

posted by shiraishi at 01:30| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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