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監督・脚本:カン・ジェギュ
共同脚本:イ・ジョンファ
出演:ハ・ジョンウ、イム・シワン、ペ・ソンウ、キム・サンホ、パク・ウンビン
「私たちが望むのは、祖国の国旗をつけて走ることです」
1936 年、ベルリンオリンピック。マラソン競技に日本代表として日本名で出場したソン・ギジョン(ハ・ジョ ンウ)は、金メダルに輝く。銅メダルを獲得したナム・スンニョン(ペ・ソンウ)と表彰台に上がったソンは、日本国歌が流れる間、月桂樹の鉢植えで胸元の国旗を隠したことが問題視され引退を強いられる。
1945 年、終戦と共に日本から解放されるが、米ソによる軍政が始まる。
1946 年、ソウル。荒れた生活を送っていたソンの前にナムが現れ、一緒にボスト ンマラソンに参加して、「若い子には本名で走らせてやろう」と持ち掛ける。最初は嫌がるソンだったが、 「立ち直るためには走るのが一番じゃないか」と言われて心が動く。
米軍政庁から国際大会の参加歴がないと出場は難しいと言われるが、ツテを頼って、ようやく招請状を手に入れる。「ソン・ギジョン世界制覇 10 周年記念マラソン」で優勝したソ・ユンボク(イム・シワン)を抜擢して、3人はボストンに赴く・・・・
飛行機をいくつも乗り継いでボストンにたどり着いた一行ですが、事務局が用意していたユニフォームは、独立国ではなく難民国としての参加だからと、星条旗のついたものでした。「太極旗をつけて走りたい」と奔走します。
そうして迎えたボストンマラソン本番。手に汗握るレース。上り坂で、どんどん抜いて、昨年の優勝者に迫るユンボクですが、犬が飛び出てきて転倒してしまいます。ゴールまで、7キロ。さて、どうなる・・・と、最後の最後まで、冷や冷やしながら見守りました。
1936年のベルリンオリンピックでのメダルの記録は、日本のままというのは、ソン・ギジョンたちにとって、ほんとに悔しいことでしょう。
「日本の奴らが去ったら、アメリカがのさばってる。いつまでいるんだ」と愚痴る場面がありました。南北分断という問題は解決していませんが、今は立派な独立国になった大韓民国。紆余曲折を経て、今があることをつくづく思いました。
ハ・ジョンウ、イム・シワン、ペ・ソンウの3人が、激動の時代を生きた実在のマラソンランナーを体現している感動作です。アメリカで彼らを迎える在米韓国人を演じたキム・サンホも、いい味出してます。(咲)
2023 年/韓国/108 分/スコープ/5.1ch
日本語字幕:根本理恵
配給:ショウゲート
公式サイト:https://1947boston.jp/
★2024年8月30日(金) より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー