2024年08月15日

助産師たちの夜が明ける  原題:Sages-femmes 英題:MIDWIVES

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監督:レア・フェネール(『愛について、ある土曜日の面会室』)
出演:エロイーズ・ジャンジョー/ミリエム・アケディウ

あるフランスの産科病棟。
5年間の修学を終えたルイーズとソフィアは、念願の助産師として働き始める。
そこは想像を超える壮絶な仕事場だった。何人もの担当を抱え走り回る助産師たち。ケアされるための十分な時間がないなか運ばれてくる緊急の産婦たち。患者の前で感傷的になるな、とルイーズがベテラン助産師ベネに厳しく叱責される一方、ソフィアは無事に出産を介助し周囲の信頼を勝ち得ていく。
そんなある日、心拍数モニターの故障から、ソフィアが担当した産婦が緊急帝王切開となり、赤ん坊は命の危険にさらされる。さらには産後行くあてのない移民母、未成年の出産、死産したカップル…
生と死が隣り合わせの現場で、二人は一人前になれるのだろうか・・・

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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023の折に来日したレア・フェネール監督(撮影:景山咲子)

日々奔走する助産師たちの姿をフィクションで描きながら、実際の出産シーンを何人もの方から承諾いただいて入れ込み、ドキュメンタリーかと見まごう作品。
ぎりぎりの人数で、無事出産できるよう的確に対応する切迫感溢れる姿を映し出していました。最後に重労働に見合わない低賃金に抗議する助産師たちの姿が出てきて、人の命を預かる重要な仕事に、適切な賃金を支払ってほしいものだと思いました。
また、助産師にも出産する母親にも、肌の色の様々な人たちがいて、現代のフランス社会が描き出されていました。
思えば、監督の初監督作『愛について、ある土曜日の面会室』(2009年、日本公開2012年)も、刑務所の面会日に訪れる様々な人々を描いた群像劇で、やはり移民や移民をルーツに持つ人たちが普通にフランス社会に溶け込んで暮らしているのが見てとれました。(咲)



SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023『助産師たち』レア・フェネール監督 Q&A


第73回ベルリン国際映画祭パノラマ部門 審査員特別賞
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023 観客賞受賞


2023年/フランス/100分/カラー
日本版字幕:松岡葉子
医学用語字幕翻訳協力:田辺けい子
配給:パンドラ
公式サイト:https://pan-dora.co.jp/josanshitachi/
★2024年8月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開




posted by sakiko at 09:10| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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