2024年08月16日
心平、
監督:山城達郎
脚本:竹浪春花
撮影:藤田朋則
音楽:宇波拓
出演:奥野瑛太(大村心平)、芦原優愛(大村いちご)、下元史朗(大村一平)、河屋秀俊(田中春男)、小林リュージュ(田中満)、川瀬陽太(田口省吾)、影山祐子(渡辺由香)
2014年夏、福島県のとある村。心平は自転車でぐるぐる回っている。兼業農家だった父を手伝って暮らしていたが、2011年の東日本大震災で、農業ができなくなってしまい、ほかの仕事についても長続きしない。妹のいちごは子供の頃から兄と通っている天文台に勤め、兄の仕事を探している。父は軽度の知的障害のある心平は家にいればいいという。母が出て行って酒に逃げる父と、働かない兄のために家事を担うのにもううんざりしている。
そんなときに、近所の住民が避難中の空き家で頻発している空き巣は心平の仕業らしい、と聞いて驚く。
山城達郎監督がロケハンのために福島中を橋まわり、地元の協力を得て実在の空き家などでオールロケをしました。そんな背景でくりひろげられる原発事故を境に、いきづまってしまった一家族のお話です。もっと深刻にもなりそうですが、のほほんとしている心平の好きなものがちりばめられているせいか、息がつけます。
心平演じる奥野瑛太さんは『SR サイタマノラッパー』で映画デビューして以来、あちこちで見かけます。長身ではっきりした目鼻立ちのせいか、印象に残るんです。『死体の人』ではこだわりの役者役での主演。今回の何も考えていないような心平を、やはり慎重にこだわりぬいて演じたようです。2014年の設定ですが、10年たった今あの家族が福島で暮らしていそうな気がする作品。心平くんいちごさん、元気でしょうか。(白)
2023年/日本/カラー/シネスコ/105分
配給:インターフィルム
©冒険王/山城達郎
公式サイト:https://shinpei.jp/
X:@shinpei_movie
ハシュタグ:#心平
★2024年8月17日(土)新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショー
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