2024年07月14日

HOW TO HAVE SEX(原題:HOW TO HAVE SEX)

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監督・脚本:モリー・マニング・ウォーカー
出演:ミア・マッケンナ=ブルース(タラ)、ララ・ピーク(スカイ)、エンヴァ・ルイス(エム)、サミュエル・ボトムリー、ショーン・トーマス、ラウラ・アンブラー

16歳のタラ、スカイ、エムの3人は卒業旅行にギリシャ・クレタ島のリゾート地、マリアにやってきた。タラは明るく積極的に見えるが実は自分だけがバージンなので、この旅行で卒業したい。親友2人はそんなタラを応援するべくお節介をやく。ロマンチックな初体験を夢見ているタラは、おしゃれしてライブやダンスに出かけ、初めて会った子に誘われてパーティにも参加する。初体験は果たせぬままホテルに帰ると、バルコニー越しに隣室の青年たちと出会う。少し年上に見える彼らといい思い出が作れるのか??

モリー・マニング・ウォーカーは撮影監督として仕事をしてきただけあって、これが初監督作品と思えない仕上がりになっています。自分の10代のころの体験を盛り込んだ脚本は、リアルな気持ちのこもったセリフが満載です。彼氏がいての初体験でなく、リゾート地で出会った人でいいの?と老婆心がまたまた湧いてきます。遅れをとったからと焦るのは、どこの国の人も同じなんですね。早い遅いなんて、そんなの大事じゃないのに。とは、後でわかることです。
「同意」が以前より注目されていますが、この映画のタラと相手との隔たりは大きいです。男子はモノにしたかどうかが自慢の種で、次は最初ほど気を使っていません。女子の気持ちは!? 何も学んでないのか全くもう!と、おばさんはどつきたくなります。良かったのは、タラと一緒にいてくれる親友の存在。チャラチャラしているようでもタラのことを心配しています。本音で言うから傷つくこともあるけれど、嘘がないから仲直りもできます。安心できる人がいるって大事。青春あるあるな体験なので、自分を振り返っていろいろ恥ずかしいことを思い出しそうです。イタイ青春の思い出も過ぎてしまえば夢のようですが、良い夢でなかったとしたら、次のためだったと思ってくださいな。(白)


もう30年以上前にクレタ島に行ったことがあって、どこが出てくるかなぁ~と楽しみに映画を観ました。イラクリオン空港に着いて、向かった先はマリア。海辺のリゾート地としても有名ですが、紀元前2000年頃に建造されたマリア宮殿のあるところ。同じころに建造されたクノッソス宮殿に行きましたが、マリアには残念ながら行ってないと思います。とても美しい海辺で食事をしたのですが、そこがどこだったのかわからない次第。
映画には、彼女たちが泊まったホテル、若者たちが集うビーチやクラブのほかに出てきたのは、ごみが散乱する通り。ひと気のない通りを、ひと夏の経験に心ここにあらずのタラがフラフラ歩いていくのが、なんとも痛いです。「経験」に出遅れているからって、あせる必要は何もないのに!
せっかくイギリスからクレタ島まで行って、リゾートだけで遺跡には行かなかったのかなぁ~ 知り合った彼と散策するには、素敵なところなのに・・・と、物語にはあまり関係ないことが気になったのでした。
知り合った男の子たちも、イギリスから来ていたので、行きずりの関係に終わらず、いい仲に発展すれば、それはそれでいいのにと思った次第。(咲)



☆第 76 回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞

2023年/イギリス、ギリシャ/カラー/91分
字幕: 高内朝子
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
© BALLOONHEAVEN, CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE 2023
公式サイト: https://culture-pub.jp/hths_movie/
公式 X:@HTHS_MOVIE #HowToHaveSex
★2024年7月19日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、シネマート新宿、アップリンク吉祥寺ほかにて全国公開
posted by shiraishi at 11:56| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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