2024年07月07日
お母さんが一緒
監督・脚色:橋口亮輔
原作・脚本:ペヤンヌマキ
撮影:上野彰吾
音楽:平井真美子
出演:江口のりこ(長女・弥生)、内田慈(次女・愛美)、古川琴音(三女・清美)、青山フォール勝ち〈ネルソンズ〉(清美の彼氏・タカヒロ)
親孝行のつもりで母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹。長女の弥生は妹たちのように可愛いといわれなかったコンプレックスがある。母の期待に応えて成績を上げ、いい大学にいい会社に入った。次女の愛美は優等生の長女といつも比べられて、頑張っても認めてもらえず姉とは犬猿の仲だ。三女の清美は、姉二人を見て育ち今は母と二人で暮らしている。母親の口から出るのはいつも欠点をあげつらう否定の言葉ばかり。三人は父親の悪口もさんざん聞かされてきた。
三人に共通しているのは「母親みたいな人生を送りたくない」ということ。それでも誕生日を迎える母のために温泉宿を予約してきたのだった。迎えの車が上り坂でエンストし、汗だくで押すという始まりがすでに不穏だ。母親の愚痴は止まらず、姉妹喧嘩もエスカレートしていく。
舞台劇を映画化するにあたって、橋口亮輔監督が脚色。舞台版で次女役だった内田慈さんが続投です。姉妹あるあるなセリフに、共感の連続でした。当人たちは真剣なのですが、はたから見ると滑稽なことがよくわかります。三人いると、2:1に分かれてしまいがちで、同じ三姉妹で育った私(次女)もいろいろと思い出しました。
末娘の清美がめんどくさい母親と同居しているので、お姉ちゃんたちは感謝とともに妹を気遣っています。弥生と愛美は未婚ですが、清美は結婚したい相手・タカヒロをサプライズで家族に紹介するつもりでした。タカヒロはせっかく温泉に来たのに、姉妹喧嘩のとばっちりで温泉にも入れず、ご馳走もお預けなのに同情してしまいます。気のいいタカヒロが、三姉妹の潤滑油になる役回り。外から人が入ることでこの「家族」もうまく回っていく気がしました。笑っているうちに、心がじんわり温まる温泉のような作品。(白)
2024年/日本/カラー/106分/G
配給:クロックワークス
(C)2024 松竹ブロードキャスティング
https://www.okaasan-movie.com/#modal
★2024年7月12日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
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