2024年07月07日

クレオの夏休み  原題:Àma Gloria

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(C)2023 LILIES FILMS

監督:マリー・アマシュケリ
出演:ルイーズ・モーロワ=パンザニ、イルサ・モレノ・ゼーゴ

乳母を訪ねて、幼いクレオはパリからアフリカの島国カーボベルデに一人旅

父親とパリで暮らす6歳のクレオ。いつもそばにいてくれるナニー(乳母)のグロリアが大好き。ある日、グロリアから「お母さんが亡くなって、お葬式で故郷に帰ることになったの」と聞かされる。しかも、もうパリには戻らないという。突然の別れに戸惑うクレオ。グロリアはクレオの父に、「遊びに来させて」と言い残す。そして夏休み、クレオは一人で飛行機に乗って彼女のもとへ行く・・・

マリー・アマシュケリ監督は、1979年7月16日生まれのジョージア系フランス人。幼い頃にナニーの女性に育てられた経験を、彼女への感謝の気持ちを込めて物語にしようと思い立ったのが本作のきっかけ。映画の最後に、ナニーのLaurinda Pereira Coareiaさんのお名前が記されてました。
ナニーの故郷をアフリカの島国カーボベルデにしたのは、本作のリサーチでナニーの女性たちと会って話をしていた中で出会い、グロリア役として出演を依頼することになったイルサ・モレノ・ゼーゴさんが、カーボベルデ出身だったことから。西アフリカの沿岸にある火山のある島国です。
昨年の山形国際ドキュメンタリー映画祭と東京フィルメックスで上映された『火の娘たち』(監督:ペドロ・コスタ、ポルトガル/2023年)の舞台になっているのがカーボベルデです、

グロリアには、年頃を迎えた娘(妊娠している!)と、まだ10歳位の息子がいて、出稼ぎ中は自分の母親に子供たちの面倒をみてもらっていました。息子は、グロリアのことを母親と認めず、我が子のように接するクレオを妬ましく思うのです。
クレオの母親はなぜいないの?の疑問は、グロリアとの会話の中で出てきました。
幼くして母を亡くしたクレオにとって、ずっと一緒にいてくれたグロリアは母のような存在。グロリアが我が子に少しでも良い生活をさせようと、出稼ぎに出なくてはならなかったことを思うと複雑な気持ちになりました。
クレオを演じたルイーズ・モーロワ=パンザニは、撮影当時5歳半。パリの公園で遊んでいたところを見出され、本作が演技初挑戦。可愛いだけじゃない、なかなかの少女です。
時折アニメーションが挟み込まれるのですが、その時々のクレオの気持ちを表すような色使いで、とても素敵です。(咲)



2023年カンヌ国際映画祭 批評家週間 オープニング作品

2023年/フランス/フランス語、カーボベルデ・クレオール語/83分/カラー/1.42:1/5.1ch
日本語字幕:星加久実
配給:トランスフォーマー
公式サイト:https://transformer.co.jp/m/cleo/
★2024年7月12日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかにて全国公開




posted by sakiko at 04:38| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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