2024年07月07日
大いなる不在 Great Absence
監督:近浦啓
出演:森山未來、真木よう子、原日出子、藤竜也
俳優の遠山卓(たかし)は、ある日、劇団のワークショップを終えると父・暘二が警察に捕まったと連絡を受ける。小さい頃に自分と母を捨てた父は、再婚して北九州で暮らしていた。かつて大学教授だった父は認知症を患っており、施設で保護されているという。
妻の夕希と共に北九州に降り立ち、施設に向かうが、今は会えないといわれる。父の家に行くと、中は荒れ放題で、一緒に暮らしていたはずの義理の母は携帯電話を置いたままいなくなっていた・・・
冒頭、閑静な住宅街に潜む機動隊員たち。「遠山」の表札の一軒家に踏み込もうとした時、玄関のドアが開き、藤竜也さん演じる男が現れます。一体、何の事件?
最後に事の真相が明かされるのですが、グッと引き付けられる幕開け。
施設の職員から、「お父さんの食べ物のアレルギーは?」と聞かれるのですが、もう30年も前に家を出た父のことを卓はわかりません。5年前に、25年ぶりに父に会いに行ったことがあって、卓は再婚相手にも会っています。ぞの彼女は行方不明。
卓は、手がかりはないかと家の中を探します。施設の職員からは、父が大事に持っていた鞄を手渡されます。その中には父の人生を示す重要な手がかりが・・・
両親のことを子は知っているようで、知らないことの方が多いのではないでしょうか。
離婚して長い間離れて暮らしていてはなおさらです。
卓が父の再婚相手がいる場所はあそこに違いない!と、電車で向かいます。窓の外の風景はどうやら有明海のよう。降り立った駅は、熊本県の網田(おうだ)駅。とても雰囲気のある駅です。監督が海辺のシーンを撮るのに適した絶景スポットをグーグルマップで探し出したのが、この近くの宇土市住吉町の長部田海床路。ぜひ行ってみたい素敵なところです。
藤竜也さんは、認知症を患った老人役でも、やっぱり渋くて素敵。第71回サン・セバスティアン国際映画祭で日本人初となる最優秀俳優賞を受賞されました。(咲)
第67回サンフランシスコ国際映画祭
“最高賞”【グローバル・ビジョンアワード】受賞
2023年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1chデジタル/133分/G
製作・制作プロダクション:クレイテプス
配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/greatabsence/
★2024年7月12日(金)テアトル新宿、TOHOシネマズシャンテ他 全国順次公開.
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