2024年06月30日

方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~

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(c)TBS

監督 佐井大紀
企画・エグゼクティブプロデューサー 大久保 竜
チーフプロデューサー 能島一人
プロデューサー 津村有紀 
クリエイティブプロデューサー 松木大輔 
撮影 小山田宏彰 末永 剛
ドローン撮影  宮崎 亮
編集 佐井大紀 五十嵐剛輝
MA 的池将

1980年、東京・国分寺市から10人の女性が突如姿を消したと報道される。彼女達を連れ去ったとされる謎の集団「イエスの方舟」、その主宰者・千石剛賢は、美しく若い女性を次々と入信させハーレムを形成していると世間を騒然とさせた。2年2ヶ月の逃避行の末、千石が不起訴となり事件には一応の終止符が打たれる。しかし彼女たちの共同生活は、45年たった今も続いていた。「宗教法人ではない」と語るその正体とは!?

当時、千石イエス、千石ハーレムなどと、センセーショナルに報道されたことを、はっきりと覚えています。千石剛賢氏が、2001年に他界された後も、共同生活が今も続いていることに驚きました。本作を通じて、「イエスの方舟」に所属する女性たちが、あのように報道されたあとも、たくましく、なおかつ、心穏やかに集団生活を続けていることを知りました。2年間の逃避行で資金が底をついた時に普通の仕事に就くことが難しく、皆でキャバレー勤め。その後、自分たちで福岡中州で「シオンの娘」を開き、看板には「イエスの方舟」が経営していることを明記しています。老朽化でコロナ禍の前に中州から香椎に移転。その後、共同生活をする古賀にリニューアルオープンしています。宝塚好きだった千石剛賢氏の妻・まさ子さんもショーの舞台に立って嬉しそうな姿を見せていました。
人の生き方は様々。幸せならいいじゃないかと思います。
映画を見て、まず目がいったのが、「イエスの方舟」の建物にあるダビデの星の中に十字架があるシンボルマークでした。女性たちが胸にさげているペンダントも同じ。旧約聖書と新約聖書の両方を学んでいるという証なのだそうです。
個人的には、千石剛賢氏とまさ子さんが知り合った頃の神戸の町の映像が出てきたのが嬉しかったです。思えば神戸の北野町には、様々な宗教の施設がすぐ近くに点在しています。ダビデの星と十字架が一緒になっているのも有りだなと。
本作の佐井監督が、1980年当時の騒動を知らない1994年生まれということも、先入観のない目線で彼女たちを追うことができたのではないかと思いました。(咲)



【佐井監督のコメント】
かつて日本を騒然とさせた「イエスの方舟」の女性たちは、今でも福岡で共同生活をしている。騒動時の過激な報道を経験してもなお、水商売で生計を立てながら、聖書と共に在るその生き様を45年間貫き通した。TBSに残された貴重なフィルムと、私がこの目で見た彼女たちの現在。そこから浮かび上がる真実は、シスターフッドか?それとも狂気か?
鑑賞後もあなたは、“ハーレム教団”と呼びますか?

「TBSドキュメンタリー映画祭2024」上映作品

2024年/日本/69分/ステレオ/ 16:9
製作:TBSテレビ
配給:KICCORIT
配給協力:Playtime
公式サイト:https://hakobune-movie.jp/
★2024年7月6日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次公開



posted by sakiko at 20:17| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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