監督:前田哲
原作:佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」(小学館刊)
脚本:大島里美
撮影:山本英夫
出演:草笛光子(佐藤愛子)、唐沢寿明(吉川真也)、藤間爽子(杉山桃子)、木村多江(吉川麻里子)、真矢ミキ(杉山響子)
90歳になった佐藤愛子は断筆宣言をして作家生活を引退。締め切りに追われず、悠々自適に過ごす予定だったのに、あまりにも何もない日々に飽き飽きしていた。そこへ「ぜひエッセイ連載を!」とベテラン編集者・吉川が手土産持参で乗り込んでくる。手土産はもらうけれど「書けない、書かない、書きたくない!」と断固拒絶する愛子と吉川、頑固者同士の攻防が始まった。2階で同居している愛子の娘・響子と孫の桃子は、吉川とのやりとりで愛子が日々元気になっていくのを見守り、連載が決まったのに安堵する。愛子の痛快エッセイは好評でベストセラーとなった。
昨年11月、100歳を迎えた作家・佐藤愛子さんの同名エッセイ集の実写映画化。主演の草笛光子さんは『老後の資金がありません!』に続いての前田哲監督とタッグ。タイトルと同じ90歳になられましたが、今もお綺麗な現役の俳優、シニアの希望の星!よっ、光子さんカッコいい!
愛子先生の好敵手、いや良き相棒となる吉川は典型的な昭和男。会社では後輩に追い越され、同僚にはパワハラ男と避けられているのが実情です。若手に対抗して企画を通したい一心でもありました。家庭を顧みず仕事人間でやってきた結果、妻を泣かせていたのを娘の美優に言われてやっと気づく体たらくです。愛子先生と過ごすうちに少し変わる吉川でした。あの人この人がいろいろな役で登場しているのでお楽しみに。
怒るのには格別パワーが要ります、見ないふりをする方が楽ですが「正しく怒る」愛子先生に共感します。老化といつしか時代に取り残される不安は誰にも共通。愛子先生を見習い、元気で生き抜きましょう。(白)
完成披露試写舞台挨拶
作家を書く気にさせるには? を楽しく見せてくれました。
昭和な男が持ってくるありきたりのお菓子よりも、若い編集者が持ってくる珍しくてお洒落なスイーツに、つい書く気になる愛子さん!
引退して何もしないことが、いかに退屈かも見せてくれました。寝込まない限り、人生現役でいたいと、今一度、思った次第です。
それにしても、いかにもの昭和男を演じた唐沢寿明さん、モデルになった編集者の方に風貌を似せたのかもしれませんが、キャストを知らなければ、この人、誰?という位、ダサダサです。
あの人この人がいろんな役で出てくる中でも、オダギリジョーさんには大笑い。前田哲監督の手腕に脱帽です。(咲)
2024年/日本/カラー/ビスタ/99分
配給:松竹
(C)2024「九十歳。何がめでたい」製作委員会 (C)佐藤愛子/小学館
https://movies.shochiku.co.jp/90-medetai/
★★2024年6月21日(金)より全国順次公開“あなたの悩みも一笑両断”
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