監監督・撮影・編集:奥間勝也
出演:具志堅隆松
具志堅隆松さん70歳。「ガマフヤー(ガマを掘る人)」と自称し、同じ名前の収集ボランティアの会の代表を務めている。沖縄が戦地となったとき住民たちが避難したガマ(洞窟)で遺骨収集を続けて40年になった。薄暗い中、小さな破片も見逃さない。「あと10センチで出逢えるかもしれない」と堀り続けてきた。沖縄には、まだまだ見つからない遺骨がたくさん(3000柱)眠っている。そんな土を辺野古の埋め立てに使わないで、と抗議する。
激戦地だった南部では追い詰められた住民や、武器や装備の少ない兵隊の遺骨が多いそうです。具志堅さんはガマに残された遺骨や遺品から、その時の状況を推し量ります。小銃と砕けた頭蓋骨に出逢うと、「足で引き金を押して自決したのだろう」と推測。子どもの乳歯が見つかると、「お母さんも一緒だろう」と、さらに探します。
今は親族からサンプルを集めて、遺骨とのDNA鑑定ができます。遺骨の劣化が激しいと鑑定が難しく、また遺族も高齢となり、年々少なくなっていきます。奥間監督も大叔母(祖母の妹・当時20歳)の正子さんが亡くなっています。具志堅さんと共にガマに入りながら戦後生まれの監督は出逢ったことのない人の追悼を自問しています。戦争の記憶と記録を次世代にどうつなげるかということも。
摩文仁の丘には戦没者の名前が刻まれた石碑が寄せてはかえす波頭のように並んでいます。この40年「観念的な慰霊でなく、行動的な慰霊としてやっている」という具志堅隆松さんの言葉が胸に残りました。(白)
2024年/日本・フランス/カラー/DCP115分
配給:東風
(C)Okuma Katsuya, Moolin Production, Dynamo Production (C)Thaw Win Kyar Phyu Production
https://closetothebone.jp/
★2024年6月15日(土)東京 ポレポレ東中野、大阪 第七藝術劇場ほか全国順次公開
2024年06月07日
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