2024年06月02日

狼が羊に恋をするとき 原題:南方小羊牧場 英題:When a Wolf Falls in Love with a Sheep

2024年6月14日(金)より下北沢トリウッドにて公開
『狼が羊に恋をするとき』日本版ポスタービジュアル_R_R.jpg
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「予備校に行くね」と、恋人はメモを残し姿を消した

プロデューサー:廖士涵(リャオ・シーハン)
監督・脚本:侯季然(ホウ・チーラン)
脚本:ヤン・ユエンリン(楊元鈴)、ホー・シンミン(何昕明)、チェン・チンヨウ(陳慶祐)
字幕:鈴木真理子
出演:柯震東(クー・チェンドン)、簡嫚書(ジエン・マンシュウ)、郭書瑤(グオ・シューヤオ)、蔡振南(ツァイ・チェンナン)、張書豪(チャン・シューハオ)、謝欣穎(シエ・シンイン)、林慶台(リン・チンタイ)

本作は2012年秋の台湾公開後、日本ではSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013長編コンペティション部門、カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2014(東京)、台湾映画祭2015(福岡)と相次いで上映されたが、一般公開はされないままだった。その作品が10年の時を経て公開される。

*参照記事
シネマジャーナルHP 特別記事 
「祝10周年! SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」記事はこちら
この中に『狼が羊に恋をするとき』の紹介あり
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ホウ・チーラン監督 2013年SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 撮影宮崎暁美


「予備校に行くね」というメモを残し、恋人のイーインが姿を消してしまった。落ち込むタンだったが、彼女を捜しにやってきたのは台北駅近くの予備校が集まる「南陽街」。タンはひょんなことから印刷屋の店長に拾われ住み込みで働き始める。近隣の予備校から依頼されるテスト用紙の印刷に明け暮れるうち、とある予備校の原稿に羊のイラストが描かれていることに気が付く。羊のイラストを描いていたのは「必勝予備校」のアシスタント・小羊(シャオヤン)だった。イラストレーターを目指す彼女は、海外留学してしまった元カレの帰りをこの予備校で働きながら待っていた。タンはある日、羊のイラストが描かれたテスト用紙の原稿に遊び心から狼のイラストを描き足してしまい、間違って印刷してしまう。印刷されたテスト用紙は納品されてしまい、テスト用紙上で狼と羊は会話を始めてしまう。このことは、瞬く間に学生たちの話題になっていった。「狼は誰?」。そんなある日、タンはシャオヤンが元カレのことをあきらめこの街を去ろうとしていることを知る。

実写に、アニメーションやコマ撮りの映像を加え、独特の世界観を創り出した本作は、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督がプロデュースした『有一天(ONE DAY)』(10)で長編デビューしたホウ・チーラン監督。長編2作目である。10年も前の作品なのに古さを感じない。
主演は『赤い糸 輪廻のひみつ』のクー・チェンドン。大ヒット青春映画『あの頃、君を追いかけた』に続く主演2作目。そしてクー・チェンドンの相手役を演じたジエン・マンシュウにとっては、映画初出演にして初主演となる記念碑的作品だった。ふたりの初々しさがまぶしい。そして、その後の活躍を予感させる演技だった。

2013年の「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」で観たが、まさか10年もたって日本公開されるとは思ってもみなかった。でも、今、観ても古くない。予備校街の光景は、今もこんな状態なのかもと思ったし、二人の初々しい演技を観て、若々しさを感じた。
試験用紙に、羊のイラストを描いてしまうなんていうのは、日本では考えられないけど、台湾ではそういう遊び心が通じるのだろうか。受験生のつかの間の癒しになっていたというのが、ちょっと面白かった(暁)。


2012年/台湾/85分/カラー/シネスコ/5.1ch/
配給:台湾映画同好会 配給協力:台湾映画社
協力:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭、トリウッド
作品HP:https://note.com/sheeplovermovie/

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=VxLgeXkip1s
posted by akemi at 20:22| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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