2024年06月02日
ハロルド・フライのまさかの旅立ち 原題:The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry
監督:へティ・マクドナルド
出演:ジム・ブロードベント、ペネロープ・ウィルトン、アール・ケイヴ、リンダ・バセット、ジョセフ・マイデル
ビール工場を定年退職し、妻のモーリーンと静かな生活を送るハロルド・フライ。ある日、北の果てから1通の手紙が届く。かつて一緒に働いていた女性クイーニーからの、余命わずかでホスピスに入院中とのお別れの手紙だった。ハロルドはどう返事を書こうかと妻に相談するが、「思ったことを書けばいい」と素っ気ない。「どうかお大事に」と書いた返事を手に郵便局に向かう途中で立ち寄った店の女性店員に、「友達がガンだ」とつぶやく。すると、彼女から「信じる心で伯母のガンがよくなった」と言われる。ハロルドはホスピスに電話をかけ「今から歩いていくので、着くまで生きていてくれ」とクイーニーに伝言を頼む。今いる町から、目的地までは800キロ。ハロルドは、手ぶらのまま歩き始める。彼にはクイーニーにどうしても会って伝えたい“ある想い”があったのだ。何日も歩き続けたある日、カフェで雑談した男の撮ったハロルドの写真と共に、徒歩の旅のエピソードが新聞の一面に掲載される。多くの人が声をかけ、食べ物を差し入れたり、一緒に歩き始めたりする。だが、ハロルドには、この旅を独りで完遂しなければならないとわかっていた・・・
この映画を観て思い出したのが、『君を想い、バスに乗る』です。最愛の妻に先立たれた老人が、かつて妻と出会った場所を目指して、ローカルバスのフリーパスを使って旅をする物語。こちらも、SNSで話題になって、皆が応援しました。イギリスって、そういう国民性?
それにしても、どうしても直接伝えたいことがあると、無謀にも歩いて800キロも離れた地を目指す理由は何? 奥さんにも、ちゃんとクイーニーの名前を伝えているので、愛情を打ち明けるためではないし・・・と思い巡らしましたが、それは思いもよらない理由でした。驚くべき真相はともかく、イギリスの素朴で美しい田舎の風景をたっぷり味わえる映画です。(咲)
原作は、累計発行部数600万部を誇るベストセラー小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」(講談社文庫)
2022年/イギリス/英語/108分/ビスタ/カラー/5.1ch
日本語字幕:牧野琴子
配給:松竹
後援:ブリティッシュ・カウンシル
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/haroldfry/
★2024年6月7日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラスト有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
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