2024年05月30日

ユニコーン・ウォーズ(原題:Unicorn Wars)

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監督・脚本:アルベルト・バスケス

とあるディストピア。熊とユニコーンがそれぞれのテリトリーに住んでいた。この両者は先祖代々闘いが続いている。テディベアの双子の兄弟、ゴルディとアスリンは軍の新兵訓練所で厳しい特訓を受けていた。
先発の部隊が魔法の森へ行ったまま戻らず、捜索部隊が出動することになった。ほどなくアスリンたちが目にしたのは無残な姿の隊員たちだった。聖書には「最後のユニコーンの血を飲む者は、美しく永遠の存在になる」という言葉がある。部隊はユニコーンを追って深い森へと進軍していくが、その地で巻き起こる悲惨で残酷な出来事の先には、とんでもない結末が待ち受けていた…。

こちらは昨年開催された第一回新潟国際アニメーション映画祭のコンペティション部門で拝見。テディベアを始めとして可愛いキャラたちが勢ぞろいで、お子様向けかと思いきや・・・そのキャラの姿で血みどろの闘い、幻覚からの殺戮、飢餓に襲われと驚愕のシーンが繰り広げられます。
ことに双子で生まれたゴルディとアスリンの兄弟。気弱な兄のゴルディに母の愛情をとられたと思っている節があるアスリンは、何かにつけ意地悪をします。闘いの合間に過去の思い出が挿入され、なぜこうなってしまったかが明らかになります。
ユニコーンと熊の長い闘いを、同道する神父は聖書をもとに此方が正義と意味を説きます。寄せ集めの最弱部隊を死んでも惜しくないと言い放つ上官たち。テディベアの姿だから観続けられましたが、今の人間世界と変わらないではありませんか。戦争の醜悪さ残酷さが詰め込まれています。ラストまで心して観よ。(白)


☆監督フィルモグラフィ
<長編アニメーション>
『ユニコーン・ウォーズ』(2022)※ゴヤ賞 最優秀長編アニメーション映画賞
『サイコノータス
忘れられたこどもたち』(2015) ※ゴヤ賞 最優秀長編アニメーション映画賞
<短編アニメーション>
『Homeless Home』 (2020)※アヌシー国際アニメーション映画祭 審査員賞
『Decorado』 (2016) ※ゴヤ賞 最優秀短編アニメーション賞
『Unicorn Blood』 (2013)
『Birdboy』 (2011) ※ゴヤ賞 最優秀短編アニメーション賞

2022年/スペイン、フランス/カラー/ビスタ/92分
配給:リスキット
©︎2022 Unicorn Wars
公式HP: unicornwars.jp
★2024年5月25日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて先行公開中
5月31日(金)よりTジョイPRINCE品川ほか全国順次公開


posted by shiraishi at 09:51| Comment(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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