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VIVA! SAURA 未来を生きるシネアスタ
2023年2月10日、スペインの名匠カルロス・サウラ監督が91歳で亡くなられました。
50を超える作品を撮り続け、ゴヤ賞栄誉賞を受賞する前日のことでした。
この度、カルロス・サウラ監督を追悼し、最後の劇映画であるメキシコで撮影された『情熱の王国』(2021)と、遺作となった監督自らが出演するドキュメンタリー『壁は語る』(2022)の2本が同時公開されます。
公式サイトhttp://www.action-inc.co.jp/saura/
配給:Action Inc. 配給協力:インターフィルム
★2024年6月1日(土)より、ユーロスペースほかにて追悼ロードショー
カルロス・サウラ
本名:カルロス・サウラ・アタレス
生年月日:1932年1月4日 ウエスカ生まれ
没:2023年2月10日 マドリード
4歳の時にスペイン内戦(1936-39)がはじまり、共和国派地域のマドリード、バルセロナ、バレンシアを転々とする。ピアニストの母と画家の兄の影響で芸術に興味を示し、高校の頃から写真、1950年から16mmで映像を撮り始める。1952年、IIEC(現在の国立映画学校)に入学。1958年からIIECで映画美術の教鞭に立つがフランコ政権の検閲に反対して1963年に解任。1958年に短編ドキュメンタリー「Cuenca」(クエンカ)でサンセバスチャン映画祭、短編部門特別賞を受賞。長編デビュー作「Los Golfos」(ならず者たち)は1960年のカンヌ映画祭に正式出品され、1965年、「La Caza」(狩り)でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。その後、ほぼ年に1本のペースで作品を発表し、フランコ政権が終わりを迎えた翌年、ビクトル・エリセの『ミツバチのささやき』から2年後のアナ・トレントが主演した『カラスの飼育』(1976)が、カンヌ映画祭審査員グランプリ、ゴールデン・グローブ賞にもノミネート。「Mamá cumple cien años」(ママは百歳|1979)で米国アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたことで、世界に名が知られた。作品は物語から音楽映画まで多岐に渡るが、日本で初めて劇場公開されたのは1983年、フラメンコのアントニオ・ガデスとタッグを組み、米アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『カルメン』。1991年からオペラや舞台の演出も手がけ、2023年「サウラによるロルカ」舞台稽古中に体調を崩し2月10日、呼吸不全で家族に見守られながら息を引き取った。最後に「充実したいい人生だった」とつぶやいたという。 2023年2月11日のゴヤ賞で栄誉賞を受賞。
(公式サイトより)
カルロス・サウラ監督のお名前を、恥ずかしながら『サウラ家の人々』(2017年、監督:フェリックス・ビスカレット)を観るまで、認識していませんでした。
監督の作品『血の婚礼』(日本公開:1985年1月22日)は観ているのですが、フランコ独裁の時代に犠牲になった詩人ロルカに興味を持っていたから観に行ったものでした。
オペラ「サウラによるロルカ」舞台稽古中に体調を崩して亡くなられたとのこと。この舞台にも興味津々です。
Action Inc.比嘉世津子様のご尽力で、この度、公開されることになったカルロス・サウラ監督の最後の2作品。「過去より未来」(過去を反芻するより、次のことを考えることに時間を使いたい)と言い続けてきたカルロス・サウラ監督に思いを馳せながらご覧いただければと思います。(咲)
情熱の王国 原題:El REY DE TODO EL MUNDO
(C)PIPA FILMS&PACHA INVERSIONES Y PRODUCCIONES AUDIOVISUALES
監督・脚本:カルロス・サウラ
出演:アナ・デ・ラ・レゲラ、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、グレタ・エリソンド、イサーク・アラトーレ、イサーク・エルナンデス、マノロ・カルドナ、ダミアン・アルカサル
メキシコ第二の都市、グアダラハラ。
演出家のマヌエルが次に考えている舞台は、ミュージカルを作るためのミュージカル。構想からキャスティング、完成までを描くには、振付師が不可欠だった。彼は元妻であり女優で著名な振付師のサラに助けを求める。ただ、マヌエルが書く脚本の中で、サラは交通事故にあい車椅子になった振付師だ。引き受けたサラが主導するキャスティングでは、何とかオーディションに受かろうとする若者たちの緊張感と競争心、そこから頭角を表す男女3人が生き生きと描かれる。その中の一人、イネスは父親と地元ギャングとの対立を心配しながら稽古に励む。メキシコの過去と現在を繋ぐために、独自の舞台を作ろうとする演出陣。数々の力強い伝統音楽がダンスとコラボレーションする中で、悲劇と虚構と現実が交錯する物語が生まれる。
2021年/ スペイン=メキシコ/DCP/99分/カラー
配給:Action Inc. 配給協力:インターフィルム
http://www.action-inc.co.jp/saura/jounetsunookoku.php#j_story_wrapper
壁は語る 英題:Walls Can Talk
(C)MALVALANDA
監督・出演:カルロス・サウラ
出演:ミケル・バルセロ、ペドロ・サウラ、ホセ・ルイス・アルスアガ、ロベルト・オンタニョン、Suso33、Zeta、Musa71、Cuco、アンナ・ディミトロヴァ
洞窟の壁画からグラフィティをたどる、映画監督カルロス・サウラ最後の旅。
芸術の起源についてカルロス・サウラが、監督と主演を務めながら探求するドキュメンタリー映画。先史時代の洞窟における最初のグラフィック革命から、最も前衛的な都市表現まで、創造的なキャンバスとしての「壁」と芸術との関係を描く。
人類進化の偉大な思想家フアン・ルイス・アルスアガや、現代アートを代表するアーティスト、ミケル・バルセロなど、個性的な人々が同行するパーソナルな旅。自らのことは多く語らないが、芸術に関しては饒舌で、まるで子供のようになるサウラ。アルタミラ洞窟の専門家と共にスペインの遺跡や洞窟をめぐり、人類の進化と共に、人はなぜ壁に描いたのか、を探っていく。そして、その視点は現代の若い世代、グラフィティ・アーティストのZeta、グラフィティ・ライターのMusa71、アーバン・クリエイターのSuso33、アーティストのCucoにも注がれる。サウラ監督自身が彼らに迫り、壁に描くようになった経緯を問いながら、現代と太古の壁画アーティストたちが時空を超えて、繋がっていく。カルロス・サウラ監督、生涯最後の作品。
2022年/スペイン/DCP/75 分/カラー
配給:Action Inc. 配給協力:インターフィルム
http://www.action-inc.co.jp/saura/kabewakataru.php#k_intro_wrapper
2024年05月26日
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