2024年04月14日

あまろっく

amarock.jpg

監督・原案・脚本:中村和宏
脚本:西井史子
撮影:関照男
音楽:林ゆう、山城ショウゴ
出演:江口のりこ(近松優子)、中条あやみ(近松早希)、笑福亭鶴瓶(近松竜太郎)、松尾諭(若き竜太郎)、中村ゆり(近松愛子)、中林大樹(南雲広樹)、鮎川太一(駿河太郎)

巨大な閘門(こうもん)“あまろっく”によって水害から守られている街・尼崎。近松優子は理不尽なリストラで失業し、この街に戻ってきた。
父親は一人暮らしのところに戻ってきた娘を大歓迎。39歳でニートな日々を送っていても文句も言わない。「人生に起こることはなんでも楽しまな」が口グセの能天気な父だ。突然再婚すると言い出し、つれて来たのが、なんと20歳の早希!ずっと孤独で「夢は家族だんらん」という早希。娘ほど年下の“母”の登場に戸惑う優子。波乱のの共同生活はどうなってゆくのかっ??

鶴瓶さんが再婚、それも中条あやみちゃんと。いやいや、映画の中のお話です(どうしても孫にしか見えん)。娘が憮然とするのも無理はありません。この人たちがどうやって家族になってゆくのか、というのが見どころです。江口さんは「わが道を行く」タイプの役多いですが、似合います。こちらも見ているだけで楽しめる「ソロ活女子のススメ」もシリーズ4です。
優子の旧友でなにかと優子を気に掛ける太一の駿河太郎さん、鶴瓶さんの息子さんですが、若き日を演じるのは松尾諭さん。お二人の役を取り換えてもいけそうです。
タイトルの「あまろっく」は「尼崎閘門」のことで海抜0mの地区を守っているのだそうです。この映画で初めて知りました。詳しい説明はこちら。「あまろっく」は普段は気づかないけれど、「ここというときに頼りになるお父ちゃん」のことでもあったか…もういない実父を思い出しました。(白)


「あまろっく」というタイトルから、音楽のロックの話かと思ったら、「尼崎閘門」の通称でした。閘門は、英語でLock Gate。
冒頭、白鳥ボートで家族3人が、のどかに「あまろっく」を通っていきます。お父ちゃんが小学生の娘に海抜ゼロメートル地帯の尼崎を救うために出来たと説明しています。この家族団らんが、1994年のこと。となれば、この翌年の1995年1月17日に阪神淡路大震災がこの地域を襲ったことが、きっとこの物語に出てくると頭をよぎりました。
この時の少女・優子が、大人になって、「白鳥総合研究所」所員として、会社から表彰される程の功績をあげながら、リストラされて尼崎の実家に戻ってきたのが、2015年。優子は、それからずっと家でゴロゴロしていて、お父ちゃんが再婚宣言したのは、8年後。初めて会った時、思わず「連れ子?」と聞くほど若い再婚相手。20歳にして優子の継母となった早希が、優子のためにお見合いの話を持ってくるのですが、これまた素敵なエピソードが満載。お見合い相手の南雲は、優子と同じ京大で、優子がボート部で活躍していたのもちゃんと知っていました。江口のりこさんは、ボート選手に見える様に練習を重ねたそうです。ボートから落ちた時に水が臭かったとか。
キャスト全員関西出身で、関西弁も本物。もっとも、地域によって関西弁にも微妙な違いはあるのですが、ほんわかとした雰囲気は全員関西人だからこそ出せるもの。人と人の繋がりって素敵だなぁ~と思わせてくれる物語です。(咲)



2023年/日本/カラー/119分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2024 映画「あまろっく」製作委員会
https://happinet-phantom.com/amalock/
★2024年4月12日(金)兵庫県先行、4月19日(金)新宿ピカデリー他 全国公開

posted by shiraishi at 19:59| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください