2024年04月07日
コザママ♪ うたって!コザのママさん!!
監督:中川陽介
脚本:中川陽介 、山田優樹
撮影:砂川幸太
音楽:沢田穣治
出演:上門みき(金城ななえ)、畠山尚子(嘉敷リカ)、新垣美竹(宮城真澄)、jimama(由紀子)、ジョーイ大鷲、山内千草、田島龍、仲座健太、ゆっきー(きゃん×きゃん)、K ジャージ、玉城清、ジョニー宜野湾
沖縄市コザで人気を集めた女子高生4人組R&Bバンド「銀天ガールズ」。20年を経てそれぞれ家庭を持つ彼女たちが、地元の商店街「銀天街」の街おこしのため「銀天ママサンズ」として再結成することになった。街の不況や子どもたちの貧困などさまざまな事情を抱えながらも、青春と人生を取り戻してコザに活気を取り戻すべく奮闘する彼女たちだったが……。
高校を卒業してプロに挑戦する道を選びたかった1人、選ばなかった3人。わだかまりが残っていましたが、音楽はまた4人を結び付けます。好きなことをやれた高校時代と違って、20年経った今はそれぞれに家庭があり生活があります。
沖縄の歌は優しくて、包み込むようです。悲しい時も嬉しい時も歌うこと、踊ることで「大丈夫、やって行ける」と心満タンにしたんじゃないかな。なんくるないさ、って。
予告編に「夢を追う人を笑うな、夢を信じてる人を笑うなよ」というセリフがあります。暮らしでいっぱいいっぱいでも、その先に夢があれば。足元が暗くても前に見えるその灯りを頼りに歩いていける気がします。
沖縄には2022年に2度出かけて、コザのライブハウスや銀天街のペイントも見ました。次は昼間でなく、夜に行って歌を聞きたいものです。なかなか行けない方もこの映画で沖縄の歌にしびれてください。(白)
ベトナム戦争の頃、歓楽街だったコザの胡屋地区は白人街、照屋地区は黒人街とエリアが分かれていたとのこと。照屋地区の銀天街で活躍した高校生の「銀天ガールズ」がR&Bを歌ったのは自然の流れでした。20年後、寂れてしまった銀天街の街おこしのため、「銀天ママサンズ」を再結成した時、ママとなった3人の夫たちの対応がそれぞれ違って、人間性が出るなぁ~と思いました。中でも、「音楽で金を稼ごうと思わないからいいものが出来る」という言葉は心に残りました。歌や踊りの好きな沖縄の人たちを感じることのできる映画です。(咲)
今年の2月(2024)、47年ぶりに沖縄に行きました。一番の目的は佐喜眞美術館に行くことでした。丸木伊里・俊夫妻の「沖縄戦の図」全14部が佐喜眞美術館で公開されているというので、思い切ってこの機会に行ったのです。いつもは3,4作づつ展示しているらしいのですが、去年(2023)、この作品の製作過程を記録したドキュメンタリー『丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部』が公開され、それを記念して全作品が公開されていたのです。佐喜眞美術館は普天間基地の片隅にあるのですが、「沖縄戦の図」を展示するために地主の佐喜眞道夫さんが米軍から土地を返してもらって1994年に建てたのです。美術館の屋上からは普天間基地が見渡せます。
*詳しくは下記インタビュー記事をごらんください。
『丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部』河邑厚徳監督インタビュー
そしてそれ以外にも『歌えマチグヮー』で知った、「生活の柄」という店にも行ってみたかったのです。「生活の柄」というのは沖縄出身の詩人山之内獏の詩のタイトルですが、フォークシンガーの高田渡が曲をつけて歌っていて、彼の代表曲でもあります。この店のオーナーはこの詩と高田渡のファンというのがこの映画の中で描かれていたので、ぜひ行ってみたいと思っていたのです。
『歌えマチグヮー』は那覇の栄町市場の再生を描いたドキュメンタリーですが、この『コザママ♪ うたって!コザのママさん!!』と同じように、活気がなくなってしまった市場を「音楽」をキーワードに市場の再生を目指すという話でした。その中心にいたのが「栄町おばぁラッパーズ」。市場を元気にするためラップの練習に明け暮れる3人の姿を追っていました。こちらは元気なおばぁたちの話でしたが、『コザママ♪ うたって!コザのママさん!!』を観て、どこも同じような問題をかかえているんだなと思いました。
監督の「沖縄で歌ったり踊ったり三線を弾くのは稼ぐためではなく人生を楽しむため。商業的でないからこそ芸を突き詰められる」という言葉に沖縄芸能の豊かさを納得。
今回、コザ(沖縄市)のライブハウスやシアタードーナツ・オキナワにも行きたかったのですが、ライブ情報、宿泊情報が間に合わず行けなかったのが残念。この映画を観て、次回沖縄に行った時は絶対コザ「銀天街」に行ってみたいと思いました。
今回の沖縄行きは9日間だったのですが、そのうち那覇で6泊宿泊したホテルサンパレス琉球館の名前が最後に出てきてびっくり。もしかして那覇での撮影の時は、このホテルを使ったのかな。とても便利なところにあるので、次回も那覇に行ったらここに泊まりたいと思ったホテルでした(暁)。
シネマジャーナルHP参照記事
●スタッフ日記 高田渡さんとのエピソード
●作品紹介 『歌えマチグヮー』
2022年/日本/カラー/シネスコ/116分
配給:ミカタ・エンタテインメント
(C)YOSUKE NAKAGAWA / SOUTHEND PICURE
https://kozamama.nice-movie.jp/
★2024年4月12日(金)UPLINK 吉祥寺、5/31金~栃木県シネコン小山シネマロブレにてロードショー!
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