2024年03月10日

戦雲(いくさふむ)

3/16(土)よりポレポレ東中野、3/23(土)より桜坂劇場ほか全国順次公開 
劇場情報 

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(c)2024『戦雲』製作委員会


『標的の村』(2013)、『標的の島 風かたか』(2017)、『沖縄スパイ戦史』(2018 大矢英代と共同監督)など、たくさんの沖縄に関する映画を製作してきた三上智恵監督。これは6年ぶりの最新作で、沖縄や南西諸島での、自衛隊の急速な軍事要塞化の状況や、島々の暮らし祭りなどを描き、警鐘を伝えている。

監督:三上智恵
プロデューサー:橋本佳子 木下繁貴
語り:山里節子
撮影:上江洲佑弥
監督補:桃原英樹
音楽:勝井祐二
編集:青木孝文
CG:比嘉真人
イラスト:山内若菜

本当の「国防」とは何か?
圧殺されるのは沖縄の声だけではない


沖縄本島、与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島など、珊瑚による海の色が美しい島々で、日米両政府の主導のもと急速な軍事要塞化が進行している。自衛隊基地の建設、自衛隊ミサイル部隊の配備、弾薬庫の大増設、基地の地下化、そして全島民避難計画等など。そして、2022年には「台湾有事」を想定した大規模な日米共同軍事演習「キーン・ソード23」と、安保三文書の中で、九州から南西諸島を主戦場とした現地の人々の犠牲を事実上覚悟した防衛計画が露わになった。しかし、その内容を読み解き、真の恐ろしさを報じるメディアはほとんどない。全国の空港・港湾の軍事拠点化・兵站基地化が進められていることもほとんど報道されない状況で、どれほどの日本人がそのことを知っているか。本当の「国防」とは何か。圧殺されているのは沖縄の声だけではない。このドキュメンタリーはそれを問いかける。

これは、2015年から8年かけ沖縄や南西諸島をめぐり、取材を続けてきた三上智恵監督による渾身の最新レポート。タイトルは、出演している山里節子さんが「また戦,雲(いくさふむ)が湧き出してくるよ、恐ろしくて眠れない」と歌う、石垣島の抒情詩「とぅばらーま」の歌詞から。
映画が映し出すのは、迫り来る戦争の脅威だけではない。過酷な歴史と豊かな自然に育まれた人々の暮らしや祭り。それらこそ、まやかしの「抑止力」の名のもとで今まさに蹂躙されようとしているかけがえのない人々の営みであり、私たちの希望と祈りの源にほかならないと映像は語る。

HPより
監督 三上智恵(みかみ・ちえ)
映画監督、ジャーナリスト。1987年、アナウンサー職で毎日放送に入社。95年、琉球朝日放送の開局時に沖縄に移住。同局のローカルワイドニュース番組のメインキャスターを務めながら、「海にすわる〜辺野古600日の闘い〜」「1945〜島は戦場だった オキナワ365日〜」「英霊か犬死か〜沖縄から問う靖国裁判〜」など、沖縄の文化、自然、社会をテーマに多くのドキュメンタリー番組を制作。2010年、日本女性放送者懇談会放送ウーマン賞を受賞。12年に制作した「標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~」は、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル大賞など多くの賞を受賞。
13年に映画版『標的の村』で映画監督デビュー。14年にフリー転身。15年に『戦場ぬ止み』、17年に『標的の島 風かたか』、18年に『沖縄スパイ戦史』(大矢英代と共同監督)を発表。
著書に「戦場ぬ止み 辺野古・高江からの祈り」(大月書店)、「女子力で読み解く基地神話」(島洋子氏との共著/かもがわ出版)、「風かたか 『標的の島』撮影記」(大月書店)など。「証言 沖縄スパイ戦史」(集英社新書)で石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞 草の根民主主義部門 大賞、城山三郎賞、JCJ賞を受賞。24年1月17日に「戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録」(集英社新書)を上梓。

語り 山里節子(やまざと・せつこ)
1937年石垣島出身。8歳で終戦を迎える。兄は乗っていた船が撃沈、妹は栄養失調で防空壕で息絶え、祖父と母はマラリアに罹患し戦争で家族4人を失う。戦後、琉米文化会館で英語を習い、米国地質調査所の調査団の助手を務めたのち南西諸島とアメリカを結ぶ国際線の客室乗務員として働く。その後、石垣島で絹織物の製造に従事。沖縄の「本土」復帰後、環境保護や平和運動に共鳴、78年ごろから白保の新空港建設反対運動に参加。2016年から自衛隊ミサイル基地に抵抗する「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」会長。

プロデューサー 橋本佳子(はしもと・よしこ)
テレビ、映画とも数多くの受賞作をプロデュースし、放送文化基金個人賞、ATP個人特別賞、日本女性放送者懇談会放送ウーマン賞を受賞。『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎 90歳』(12/長谷川三郎監督/キネマ旬報ベスト・テン文化映画第1位)、『フタバから遠く離れて 第1部・第2部』(12・14/舩橋淳監督/共にベルリン国際映画祭正式招待作品)など。近年は『FAKE』(16/森達也監督)、『いしぶみ』(16/是枝裕和監督)、『Ryuichi Sakamoto: CODA』(17/スティーブン・ノムラ・シブル監督/ヴェネチア国際映画祭正式招待作品)、『柄本家のゴトー』(17/山崎裕演出)、『春の画 SHUNGA』(23/平田潤子監督)などのプロデューサーを務める。
三上智恵監督作品のプロデュースは『戦場ぬ止み』(15)、『標的の島 風かたか』(17)、『沖縄スパイ戦史』(18)に続き本作が四作目。座・高円寺ドキュメンタリー映画祭実行委員。2018年に自由な表現のための多目的スペース「シネマハウス大塚」を東京都豊島区にオープンし、同館のスーパーバイザーを務める。

公式HP  https://ikusafumu.jp/
2024年製作/132分/日本
配給:東風

●劇場イベント情報

[東京]ポレポレ東中野:3/16(土)
3/16(土)午前9:50の回,12:30の回上映後、三上智恵監督による舞台挨拶

[横浜]シネマ・ジャック&ベティ:3/16(土)
3/16(土)17:40の回上映後、三上智恵監督による舞台挨拶

[神戸]元町映画館:3/17(日)
3/17(日)12:50の回上映後、三上智恵監督による舞台挨拶

[大阪]第七藝術劇場:3/17(日)・3/29(金)
3/17(日)15:50の回上映後、3/29(金)12:25の回上映後、三上智恵監督による舞台挨拶

*シネマジャーナルHP参考資料

特別記事
『標的の村』 三上智恵監督インタビュー
http://www.cinemajournal.net/special/2013/hyoteki/

橋本佳子さんインタビュー記事
『ひろしま 石内都・遺されたものたち』
リンダ・ホーグランド監督・橋本佳子プロデューサーインタビュー
http://www.cinemajournal.net/special/2013/hiroshima/index.html

『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』
長谷川三郎監督インタビュー
http://www.cinemajournal.net/special/2012/nipponnouso/index.html

スタッフ日記
「憲法映画祭2022」に行ってきました。本日4月24日もあります!(暁)
この中で、『島がミサイル基地になるか 若きハルサーたちの唄』を紹介しています。
http://cinemajournal.seesaa.net/article/487046406.html

posted by akemi at 23:15| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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