2024年02月25日
水平線
監督:小林且弥
脚本:齋藤孝
撮影:渡邉寿岳
出演:ピエール瀧(井口真吾)、栗林藍希(奈生)、足立智充(江田)、内田慈(河手)、押田岳(渡部)、円井わん(沙帆)、高橋良輔(城島)、清水優(隼人)、遊屋慎太郎(松山)、大方斐紗子(平島)、大堀こういち(箕輪)、渡辺哲(清一)
井口真吾は福島の港町で娘の奈生と二人暮らし。妻は震災で行方不明になり、遺骨も見つかっていない。井口は一人で散骨業を営み、高齢者や生活困窮者の依頼を格安で受けている。母亡きあと家事を引き受け、水産加工場で働く奈生は母の死をいまだ受け入れられずにいた。
ある日若い男が兄の遺骨を託して帰ったが、まもなくジャーナリストだという江田が訪ねてきた。江田はその遺骨が世間を震撼させた殺人犯のものだと告げ、多くの遺骨が眠る福島の海を汚すつもりかと迫る。井口は「無関係な人間が口を出すな」とあしらうが、執拗な取材は続きその動画がSNSで拡散される。
映画『凶悪』(2013年/白石和彌監督)で、ヤクザの兄貴役と舎弟役で共演した二人が ふたたびタッグを組みました。小林且弥監督のデビュー作の主演にとピエール瀧さんに切望して実現した作品です。いつも強面の役柄が多いピエール瀧さんが、寄る辺ないような寂しげな男を演じていて、うわ~、同じ人?と思いました。江田が井口を責めるのはおかしいだろうと思いながら、自分が問われたらと考えるとすぐに答えは出ません。海はいろいろなものを飲み込んでくれていますが、それは山でも人でも同じに思えます。
罪なき人は前へ出よ、と言われて胸を張って出られる人はいるのでしょうか?過去を持たない子どもたちだけじゃないでしょうか?辿り辿れば、いろいろな人が自分の系譜の中にいただろうし、と観た後いろいろ考えたのでした。
小林監督、瀧さんを主演にこんなデビュー作を送りだしてくれてありがとうございます。(白)
2023年/日本/カラー/119分
配給:マジックアワー
(C)2023 STUDIO NAYURA
https://studio-nayura.com/suiheisen/
★2024年3月1日(金)ロードショー
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