2024年02月17日

コヴェナント/約束の救出   原題:Guy Ritchie's the Covenant

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監督・脚本・製作;ガイ・リッチー
出演:ジェイク・ギレンホール、 ダール・サリム、 アントニー・スター、 アレクサンダー・ルドウィグ、 ボビー・ス コフィールド、 エミリー・ビーチャム、 ジョニー・リー・ミラー

2018年、アフガニスタン。タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探す部隊を率いる米軍のジョン・キンリー曹長は、アフガン人通訳として非常に優秀だが簡単には人の指図を受けないアーメッドを雇う。通訳には報酬としてアメリカへの移住ビザが約束されていた。部隊は爆発物製工場を突き止めるが、タリバンの司令官に大量の兵を送り込まれ、キンリーとアーメッド以外は全員殺される。キンリーも腕と足に銃弾を受け瀕死の状態となるが、身を潜めていたアーメッドに救出される。アーメッドはキンリーを運びながら、ひたすら山の中を100キロ進み続け、遂に米軍の偵察隊に遭遇する。7週間後、回復したキンリーは妻子の待つアメリカへ帰るが、アーメッドと家族の渡米が叶わないばかりか、タリバンに狙われ行方不明だと知って愕然とする。アーメッドを助けると決意したキンリーは、自力でアフガニスタンへ戻る・・・

険しい山道を、何度も危ない目に逢いながら瀕死のキンリーを100キロもの距離を運び、無事米軍に引き渡したアーメッド。身体が回復し米国の家族のもとに帰ったキンリーは、アーメッドに約束の米国ビザが下りてないことを知って、恩に報いる為、自費でアーメッドを探しに危険を承知でアフガニスタンに戻ります。この部分だけを捉えれば美談。ガイ・リッチー監督が、ドキュメンタリーで知った実話をもとに映画化したのは、決して美談だけを描きたかったわけではないと思います。
そも、なぜ米軍がアフガニスタンに侵攻したのか。国の政策で派兵される人たちも気の毒ですが、ソ連軍が去ったと思ったら、今度は米軍と、落ち着かない国土に暮らすアフガニスタンの人たちのことを思うと胸が痛みます。そして、米軍撤退後に、タリバンの復権。大国の身勝手な政策が及ぼす影響の大きさにも思いが至ります。タリバン復権で、芸術が否定され、女性の権利も後退。米軍に通訳として協力した多くのアフガニスタンの人たちも身の危険にさらされているという現実があります。
世界に目を向けてみれば、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻・・・等々。犠牲になるのは、戦場になった地の庶民。戦争に加担したくなくても徴兵という形で逃れられない人たちも大勢います。それを本作を観て思い起こしてほしいと切に願います。(咲)


2022年/アメリカ/英語/123分/カラー/スコープ
字幕翻訳:松崎広幸
配給:キノフィルムズ
公式サイト:https://www.grtc-movie.jp/
★2024年2月23日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー




posted by sakiko at 21:25| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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