2024年01月24日

ゴースト・トロピック    原題:Ghost Tropic

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(C)Quetzalcoatl, 10.80 films, Minds Meet production

脚本・監督:バス・ドゥヴォス
撮影監督:グリム・ヴァンデケルクホフ
音楽:ブレヒト・アミール
キャスト:
主人公の掃除婦・ハディージャ:サーディア・ベンタイブ
コンビニの女性店員:マイケ・ネーヴィレ
警備員:シュテファン・ゴタ  *『Here』で主人公のシュテファンを演じている
救急隊員:セドリック・ルヴエゾ
近隣の男性:ウィリー・トマ
娘:ノーラ・ダリ

ブリュッセルで掃除婦として働くハディージャ。一日の仕事を終え、最終電車で家路につくが、寝過ごして終点まで行ってしまう。娘に電話するも連絡がつかない。バスもなく、もう歩いて帰るしかない。途中のショッピングモールで、警備員に頼み込んで中に入れてもらいATMでお金をおろそうとするが残高がほとんどない。ひたすら歩いていく途中で、倒れこんでいるホームレスの男性を見かけ、通報して保護してもらう。閉店間際のコンビニで紅茶を飲む。店員の女性が車で送ってくれることになる・・・

寒い冬のブリュッセルの一夜の物語。
スカーフをきちっり被って髪の毛を隠しているハディージャは、北アフリカのどこかの国から移民してきた敬虔なムスリマ。倒れているホームレスを見過ごすことができません。彼が可愛がっていたと思われる犬も一緒の保護してほしいと頼むのですが、断られ、このままでは凍死してしまうと心配します。
かつて家政婦をしていた家の台所で料理をしている青年を見かけ、不法侵入者だとわかりつつ、警察が咎めようとするのを止めます。
移民してきたベルギーで、つらい思いもしてきたと思うのに、弱者に気遣いできるのは、イスラームのいたわりの精神がハディージャに根付いているからだと思います。
多様な人たちが暮らすベルギー。ハディージャの職場では、休憩時間に肌の色の違う人たちが談笑している光景が出てきます。ハディージャが帰り道に出会う人々も多種多様。バス・ドゥヴォス監督が日々みている人たちの姿が、この映画にも反映されていることを感じました。(咲)


第72回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品

2019年/ベルギー/フランス語/84分/DCP(16mm撮影)/スタンダード
日本語字幕:手束紀子
配給:サニーフィルム
公式サイト:https://www.sunny-film.com/ghosttropic
★2024年2月2日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国ロードショー



posted by sakiko at 15:13| Comment(0) | ベルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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