2024年01月24日
ベルギーのバス・ドゥヴォス監督 最新2作品『ゴースト・トロピック』『Here』日本公開!
©︎ Quetzalcoatl
©︎ Quetzalcoatl, 10.80 films, Minds Meet production
カンヌ、ベルリンで連続受賞した現代のヨーロッパ映画シーンで最も重要な若手作家の一人ベルギーの映画監督バス・ドゥヴォス。ブリュッセルの移民社会を背景に描いた最新2作品が同時に日本公開されます。
◆第72回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品
『ゴースト・トロピック』
終電で寝過ごした掃除婦ハディージャ。移民ムスリマの寒い冬のブリュッセルの一夜の物語。
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/502159836.html
◆第73回ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門最優秀作品賞&国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞) ダブル受賞
『Here』
ルーマニア出身の建設労働者シュテファンは、中国系ベルギー女性で植物学者のシュシュと出会い、多様な苔の世界を知る。
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/502160092.html
配給:サニーフィルム
公式サイト:https://www.sunny-film.com/basdevos
★2024年2月2日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国ロードショー
バス・ドゥヴォス(Bas Devos)監督
1983年生まれ。ベルギー・ズーアーセル出身。
長編第1作『Violet』が2014年ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門で審査員大賞を受賞。続く長編第2作『Hellhole』も2019年の同映画祭パノラマ部門に選出されると、カンヌ国際映画祭監督週間では長編3作目『ゴースト・トロピック』が正式出品となる。最新作『Here』は2023年のベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門の最優秀作品賞と国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)の2冠に輝く。
*多様な国 ベルギー*
「ブリュッセルは異なる国から移住してきた多くの人々でひしめきあい、それぞれがここをホームとして暮らそうとしている。ブリュッセルをさらに特異な都市にしているのは言語であり、ここではそれぞれが異なる言語を母語としているため、会話の始めにお互いの母語を確認する事が多々ある。そのような街で私たちは何を頼りに他者と繋がれば良いのか常に考えている」
※2019年のカンヌ国際映画祭監督週間に『ゴースト・トロピック』を出品した際、映画祭のオフィシャルインタビューから引用。
ベルギーは、1830年にネーデルラント連邦王国から独立し王国となったが、宗教観の違いなどもあり連邦制度となり、全国の中央政府と、ブリュッセル首都圏、フランダース、ワロンの3つの地域政府に別れ、各地域で異なる言語を公用語としてきた。
バス・ドゥヴォス監督はフランダース出身で、母語はオランダ語系のフラマン語で、映画もフランダースのファンドから助成されているが、映画はブリュッセルを舞台にしていて、主にフランス語が使用されている。(ブリュッセル首都圏はフランス語とドイツ語、ワロン地域はフランス語が公用語とされる)
小国でありながら各地域で公用語が異なる上に、ベルギーは1920年代から諸外国から移民を積極的に受け入れてきた歴史がある。初期の移民は主に鉄鋼業や鉱業の人材として東ヨーロッパから連れてこられた。その後、1950年頃、日本の高度成長期と同時期に、ベルギーもまた戦後の復興と経済成長期が重なり、労働力を必要として、スペイン、トルコ、モロッコという国々から多くの移民を受け入れた。
1990年代になると、移民の増加に世界情勢も影響し始めた。1989年のベルリンの壁崩壊後、東側諸国がEUに加盟し、より良い暮らしを求めた多くの人々がベルギーを目指した。
『Here』のシュテファンはルーマニア人である。90年代か ら2000年代は、中東地域の内戦や国際紛争も多発し、アフガニスタン、イラク、シリアからの難民もEUの本拠地であるブリュッセルに押し寄せた。今では、ベルギーの総人口の12%以上が外国籍で、移民背景を持つベルギー国籍の20%を足すと、30%以上が異なる文化背景を持った人々となる。
(プレス資料より引用)
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