2024年01月08日

弟は僕のヒーロー   原題:Mio fratello rincorre i dinosauri

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(C)COPYRIGHT 2019 PACO CINEMATOGRAFICA S.R.L. NEO ART PRODUCCIONES S.L.

監督:ステファノ・チパーニ
出演:アレッサンドロ・ガスマン、イザベラ・ラゴネーゼ、ロッシ・デ・パルマ、フランチェスコ・ゲギ、ロレンツォ・シスト、ロベルト・ノッキ、アリアンナ・ベケローニ

5歳のジャックは、両親から弟が出来ると聞いて大喜び。 姉妹二人にいつも負かされていたから、これで対等だと! 家族皆でジョーという名前(愛称)も決める。ところが生まれてきたジョーはダウン症。両親は子どもたちに弟ジョーは「特別な子」と伝える。幼いジャックは、ジョーがスーパーヒーローだと思っていたが、やがて「特別」の意味を悟り、ジャックはだんだん弟の存在を隠すようになる。高校生になり、好きな女の子もいる場で、弟について取り返しのつかない嘘をついてしまう。さらに、友人が弟のために作ってくれたYouTubeを削除し、ネオナチの仕業だと噂を広める・・・

イタリアに住む高校生のジャコモ・マッツァリオールが、2015年3月21日「世界ダウン症の日」に合わせて、ダウン症の弟ジョーを主人公に一緒に撮影した5分のショートムービー『ザ・シンプル・インタビュー』をYouTubeに公開。瞬く間にイタリア国内外で60万回を超えて再生され、大手出版社の目に留まり、ジャコモは弟との物語を執筆。本作は、2016年に出版された小説「弟は僕のヒーロー(原題:Mio fratello rincorre i dinosauri)」の待望の映画化。ジャコモは、映画の脚本に携わっています。 (ジャコモさん、イケメンです! 下記の動画をご覧ください。)
『弟は僕のヒーロー』主人公のモデル!原作&脚本家ジャコモ・マッツァリオールメッセージ動画


「弟は僕のヒーロー」
著/ジャコモ・マッツァリオール 訳/関口英子
装画:ヨシタケシンスケ
発行:小学館文庫(2023年12月6日発売)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09407285

ジャックがついた大きな嘘には脚色もあるけれど、ほとんどが原作者ジャコモ自身の経験に基づく実話。自由奔放で時に問題を起こすジョーに煩わしくなる気持ちも正直に描いています。両親は、ジャックが嘘をついたことを「親だから許す」と言います。両親がいなくなってからのジョーが心配だというジャックに、両親は「あなたたちがいる」と信頼しています。ジャックの心配は、それよりも、ダウン症のジョーが先に死んでしまうのではということに、ほろっとさせられました。こうして家族皆がジョーを支えているのですが、医師は「妊娠中に検査してダウン症とわかれば、別の選択もできたのに」と両親に伝えています。障がいを持つ子を育てるのは大変だけど、「別の選択」をするのも勇気のいること。
本作では、家族や叔母が、ジョーを特別視しないで、いつも明るく見守っている姿に、爽やかな気持ちになりました。(咲)


2019年/イタリア、スペイン/イタリア語/102分/カラー/2.39:1/5.1ch
配給:ミモザフィルムズ
公式サイト:https://mimosafilms.com/hero/
★2024年1月12日(金)シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
posted by sakiko at 21:27| Comment(0) | イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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