2023年12月10日
きっと、それは愛じゃない 原題:What's Love Got to Do with It?
監督: シェカール・カプール
脚本:ジェミマ・カーン
出演: リリー・ジェームズ、シャザド・ラティフ、シャバナ・アズミ、エマ・トンプソン、サジャル・アリー
ロンドンでドキュメンタリー監督として活躍するゾーイ。実家の隣のパキスタン人の一家の次男の結婚パーティに招かれる。長男で医師のカズとは幼馴染。久しぶりに会ったカズから、「僕も結婚する」と明かされる。それも親が選ぶ相手と見合いすると聞かされ驚く。
翌日、プロデューサーから新作の企画が暗すぎると却下されたゾーイは、咄嗟に「見合い結婚するパキスタン男性を追う」と提案。ゴーサインが出る。
親の知り合いの紹介で、パキスタンのラホールに住む22歳のマイムーナとオンライン見合し婚約。ゾーイはラホールでの結婚式を撮影する為、カズについていく。
ラホールで初めて実際に会ったカズとマイムーナに、「愛は生まれると思う?」とインタビューするゾーイ。実は、カズはゾーイの初恋の人。ダメ男ばかりに出会っては別れを繰り返してきたゾーイは、複雑な思い。いよいよ3日間にわたる結婚式が始まる・・・
日本でも、かつてはお見合い結婚が一般的な時代がありましたが、私の知人のパキスタンの方も、この映画のように親の決めた相手と顔も知らないまま結婚式に臨み、5人の子に恵まれ、とても幸せと言ってます。
一方で、この映画の冒頭、臨家の次男の結婚式で、肌を出した服装で踊る女性たちに、お祖母さんが「恥を知れ」と顔をしかめる場面があります。カズの結婚相手マイムーナも、独身最後のパーティでお酒を飲んで踊るという、はじけぶり。パキスタンの女の子たちも、決しておとなしくしていないことを描いていて痛快。 脚本を書いたジェミマ・カーンはイギリス出身ですが、20歳の時にパキスタン人(前首相のイムラン・カーン氏)と結婚し、ラホールとイスラマバードで10年間過ごした経験があって、パキスタン女性への応援歌のようにも思えました。しっとりとしたラホールの町の風情も味わえて、ラホール出身のシェカール・カプールや、ジェミマ・カーンのパキスタン愛もたっぷり感じました。なにより、ヌスラット・ファテ・アリー・ハーンと、ラハット・ファテ・アリー・ハーンの演奏によるカウワーリー(イスラーム神秘主義音楽)が聴けたのは、私にとってサプライズでした。
さて、ゾーイの初恋の行方は? どうぞ映画をご覧ください。(咲)
2022年/イギリス/英語・ウルドゥー語/109分/カラー/スコープ/5.1ch
字幕翻訳:チオキ真理
提供: 木下グループ 配給: キノフィルムズ
公式サイト:https://wl-movie.jp/
★2023年12月15日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、恵比寿ガーデンシネマほか全国公開
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