2023年11月24日

ディス・マジック・モーメント

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監督・脚本・プロデューサー:リム・カーワイ
撮影:大窪竜司
音楽:石川潤

~旅する映画監督リム・カーワイと巡るミニシアターの旅~

リム・カーワイは、大阪を拠点に香港、中国、バルカン半島などを舞台に映画を作り、どこにも属さず彷徨う「シネマドリフター(映画流れ者)」を自称するマレーシア出身の映画監督。
2022年に公開されたリム監督の『あなたの微笑み』では、第32回東京国際映画祭(2019)で受賞歴(『叫び声』で日本映画スプラッシュ部門監督賞)を持つ自主映画監督の渡辺紘文こと、「世界の渡辺」が自作を上映してくれる映画館を探して全国のミニシアターを訪ね歩く。公開を前に映画の舞台となったミニシアターに次々と困難が降りかかる。火事で映画館が全焼したり、館主の死亡で閉館や営業停止など。ついにはリム監督の本拠地大阪のテアトル梅田の閉館が決まり、いても立ってもいられなくなった監督は、自らナビゲーターとなってミニシアターを駆け巡ることに。日本は世界でも有数の「独立系ミニシアター大国」。しかし、ミニシアターと言っても、その成り立ちや経営は多種多様。家族経営、クリーニング店兼映画館、市民がつくる映画館、文化財として観光名所になった映画館等々。
日本全国のミニシアターを訪ね、劇場を支える人たちの思いに耳を傾け、見えてきたものとは…。全国22館のミニシアターを巡るリム・カーワイ監督のインタビュー映像と共に、取り壊しされた首里劇場や、全焼し再建中の小倉昭和館の跡地など、貴重な映像が盛りだくさん。

訪ねた映画館:
大黒座(北海道)、シネマディクト(青森)、御成座(秋田)、高田世界館(新潟)、シネ・ウィンド(新潟)、ほとり座(富山)、シネモンド(石川)、福井メトロ劇場(福井)、上田映劇(長野)、シネマテークたかさき(群馬)、シネマスコーレ(愛知)、豊岡劇場(兵庫)、テアトル梅田(大阪)、シネ・ヌーヴォ(大阪)、別府ブルーバード劇場(大分)、小倉昭和館(福岡)、THEATER ENYA(佐賀)、宮﨑キネマ館(宮﨑)、ガーデンズシネマ(鹿児島)、よしもと南の島パニパニシネマ(沖縄)、シアタードーナツ・オキナワ(沖縄)、首里劇場(沖縄)

マレーシア人のリム・カーワイ監督が大阪大学に留学して、初めて訪れた映画館はテアトル梅田。ミニシアターでよりすぐりの映画をあびるように観たことは、一青年に映画監督への道を歩ませる後押しになりました。
前作『あなたの微笑み』(22)は、自主映画監督 渡辺紘文を主演に、全国各地の映画館を訪ねて自作を売り込むという、ドキュメンタリーに見えるフィクションでした。その後、テアトル梅田の閉館が決まり、リム監督は全国のミニシアター22館をめぐります。自らインタビュアーとなって、個性的な館主さんたちの越し方、行く末を尋ね、館主さんと自分の映画愛を初のドキュメンタリー作品に焼き付けました。(白)


「館長も映画館も個性派揃い。いますぐ行きたくなる、リム・カーワイ presents ミニシアターの世界」とHPにありましたが、ほんとに、ここに出てくる映画館巡りをしてみたくなりました。ここに出てくる映画館で、私が行ったことことがある映画館はシネマスコーレとシネ・ヌーヴォくらい。シネマスコーレの木全元支配人が出ていましたが、木全さん、去年から今年、2本目の出演映画です。
コロナ禍で経営危機に陥ったところもあり、2022年には岩波ホールやテアトル梅田が閉館しています。他のところも自転車操業だと思います。ミニシアターをやっている人たちは、元々、儲けのためにはやっていないと思うけど、いずれの出演者も、映画の面白さ、魅力を伝えようと頑張っている人たちばかり。こんな人たちに支えられて日本のミニシアター文化はあります。
リム・カーワイ監督は、今年(2023)の山形国際ドキュメンタリー映画祭、アジア千波万波部門の審査員を務めましたし、『どこでもない、ここしかない』『いつか、どこかで』に続いて製作したバルカン半島3部作の完結編『すべて、至るところにある』も2024年1月27日に公開されるので大忙しですね。(暁)


訪ね歩いたミニシアターそれぞれに物語があって、愛おしくなりました。存続が難しい中、いつまでも、その町で愛される映画館であってほしいと願ってやみません。
『あなたの微笑み』に登場し、印象深かった首里劇場の金城政則館長は急逝され、閉館が決まったことを知りました。戦後5年後に出来た建物。沖縄芝居の劇場としても使われてきた首里劇場の歩みを報告書にまとめる作業が進行中とのこと。同じく『あなたの微笑み』に出てきた小倉昭和館は大火事で焼失してしまい、跡形もなくなってしまったことに言葉を失います。
登場したミニシアターを訪ねて地方行脚したくなること請け合います。一番行ってみたいなと思ったのは、高田世界観。風情ある城下町にある洋風建築の映画館。ここでぜひ映画を観てみたいと思いました。(咲)


2023年/日本/カラー/90分
配給:Cinema Drifters
(C)cinemadrifters
https://magicmoment2023.wixsite.com/official
★2023年11月25日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

〈下記の日程で上映後にトークショーがあります〉
11月25日(土)11:00回 リム・カーワイ監督
11月26日(日)11:00回 リム・カーワイ監督×岩井圭也さん(作家・一般社団法人ホンミライ理事)
11月27日(月)11:00回 リム・カーワイ監督
11月28日(火)11:00回 リム・カーワイ監督×由井緑郎さん(PASSAGE by ALL REVIEWS 代表)
11月29日(水)11:00回 リム・カーワイ監督×伊藤智恵さん(喫茶店さぼうる)
11月30日(木)11:00回 リム・カーワイ監督×山下宏洋(シアター・イメージフォーラム支配人)
12月01日(金)11:00回 リム・カーワイ監督
12月02日(土)予定リム・カーワイ監督×松永大司さん(映画監督)
12月03日(日)11:00回 リム・カーワイ監督×田中泰延さん(ひろのぶと株式会社 代表)

先月、新潟上越柿崎に住み映画の自主上映活動をしていた友人小出優子さんが東京に来た時にこの『ディス・マジック・モーメント』のことを話したら、「新潟ではいつ上映される?」と言われ、宣伝さんに問い合わせたら来年1月以降と言われ、彼女に伝えたのですが、それでは待ちきれなかったのか、12月3日に新潟から新幹線でこの作品を観に東京まで来てくれました。彼女はこの作品に出てくるシネ・ウインドや高田世界館に映画を観に行っています。その日、渋谷のシアター・イメージフォーラムでは、舞台挨拶&トークショーがあり、リム・カーワイ監督と田中泰延さんの掛け合いのようなトークがあったそうです。小出さんがその時、撮った写真を送ってくれたのでアップします。
『ディス・マジック・モーメント』は、イメージフォーラムでは12月22日まで上映されているようです。みなさんもぜひ観に行ってみてください。

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*シネマジャーナルHP 関連記事
・第32回東京国際映画祭 クロージングセレモニー
『あなたの微笑み』
・『シネマスコーレを解剖する。』公開決起集会 LOFT9 Shibuyaにて 
・山形国際ドキュメンタリー映画祭2023 表彰式
posted by shiraishi at 16:55| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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