2023年11月08日

蟻の王(原題:Il signore delle formiche)

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監督・脚本:ジャンニ・アメリオ
脚本:エドアルド・ペティ、フェデリコ・ファバ 
撮影:ルアン・アメリオ・ウイカイ 
美術:マルタ・マッフッチ
編集:シモーナ・パッジ
出演:ルイジ・ロ・カーショ(アルド・フライバンティ)、エリオ・ジェルマーノ(エンニオ)、レオナルド・マルテーゼ(エットレ)、サラ・セラヨッコ(グラツィエラ)

1960年代のイタリア。劇作家で詩人、蟻の研究者のアルド・フライバンティは芸術サークルを主宰している。若いエットレは博識のアルドを尊敬し、足しげく通ってきた。恋に落ちた二人はローマで同棲生活を送るが、当時同性愛は許されなかった。エットレの母親は息子をアルドから引き離し、矯正施設へ入れる。若者相手の警察に通報されたアルドは「教唆罪」で逮捕、罪を問われることになった。イタリア共産党機関紙「ウニタ」の記者エンニオは疑問を感じ、法廷を取材のため傍聴する。

「同性愛はない、したがって法律もない」とされていたムッソリーニの独裁政権時代。「教唆罪」は文字通り「そそのかして」罪を犯させるということ。
根強い偏見・差別はいとも簡単に暴力に変わります。幸せに暮らしていたエットレは、ベッドに縛り付けられ、電気ショックの「治療」を施されます。キラキラした青年だったエットレが、見る影もなく衰えた姿で証言台に立つシーンに胸打たれます。レオナルド・マルテーゼが鮮烈。『輝ける青春』(2003)を始め、名作に出演してきたルイジ・ロ・カーショがアルド。
なぜ『蟻の王』なのか、予告編にもチラッとヒントがありました。(白)


2022年/イタリア/カラー/ビスタ/140分
配給:ザジフィルムズ
© Kavac Srl / Ibc Movie/ Tender Stories/ (2022)
HP:http://www.zaziefilms.com/arinoo/
★2023年11月10日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開!
posted by shiraishi at 21:11| Comment(0) | イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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