2023年11月02日

パトリシア・ハイスミスに恋して  原題:Loving Highsmith

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(c)2022 Ensemble Film / Lichtblick Film

監督・脚本:エヴァ・ヴィティヤ 
ナレーション:グウェンドリン・クリスティー
出演:マリジェーン・ミーカー、モニーク・ビュフェ、タベア・ブルーメンシャイン、ジュディ・コーツ、コートニー・コーツ、ダン・コーツ
音楽:ノエル・アクショテ 
演奏:ビル・フリゼール、メアリー・ハルヴォーソン

パトリシア・ハイスミス Patricia Highsmith
1921年1月19日、アメリカ、テキサス州フォートワース生まれ、ニューヨーク育ち。バーナード・カレッジ在学中より短編小説の執筆を始める。1950年に発表した長編デビュー作『見知らぬ乗客』でエドガー賞処女長編賞を受賞。 同作は翌年にアルフレッド・ヒッチコックにより映画化される。1952年、クレア・モーガン名義で自らの体験を基にしたロマンス小説『The Price of Salt』(後に『キャロル』と改題)を刊行。その他の主な著書に『太陽がいっぱい』をはじめとする「トム・リプリー」シリーズ、『水の墓碑銘』、『殺意の迷宮』など。1962年よりヨーロッパに移住。 1995年、スイスのロカルノで再生不良性貧血と肺がんの併発により逝去。74歳没。

本作は、ハイスミスの生涯を、生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像やインタビュー音声、タベア・ブルーメンシャインをはじめとする元恋人達や家族によるインタビュー、そしてヒッチコックやトッド・ヘインズ、ヴィム・ヴェンダースらによる映画化作品の抜粋映像を織り交ぜな、彼女の謎に包まれた人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリー。

パトリシア・ハイスミスの名前を、恥ずかしながら全く知らなかったのですが、欧米ではアガサ・クリスティーと並ぶ人気を誇る、サスペンス、ミステリー作家。 しかも、『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』を始め、著作のほとんどが映画化されているのです。 それほどの功績を誇りながら、レズビアンであることから、家族や世間の目を気にしなければならなかった時代。実名でなく、クレア・モーガンという別名で、自身の体験を基にしたロマンス小説『The Price of Salt』(後に『キャロル』と改題)。 エヴァ・ヴィティヤ監督は、映画化されていない彼女の日記に恋して本作を紡ぎました。
母親が妊娠中に流産を望んで策を講じたことを聞かされていたパトリシアの、母親との確執。恋人と過ごすために、ロンドンやパリに家を建てたこと。女性限定の秘密のクラブで、人々を楽しませて人気だったこと・・・  「私の人生は過ちの歴史」と日記に書き残しているパトリシア・ハイスミスの、自由奔放とも思える人生の軌跡と苦悩を本作で知ることができました。(咲)


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(c)CourtesySwissLiteraryArchives

パトリシア・ハイスミス(1921-1995)は、アガサ・クリスティーと並ぶ人気を誇るサスペンス・ミステリー作家だそう。彼女の原作から『見知らぬ乗客』(1951年)や『太陽がいっぱい』(60年)、『アメリカの友人』(77年)、『キャロル』(2015年)など、映画史に残る名作の数々が生まれたというのに彼女の名前を知らなかった。子供の頃、推理小説が好きでたくさんの推理小説を読んでいたはずなのに。
このドキュメンタリーは、彼女の生誕100周年を経て発表された日記やノート、本人映像、インタビュー音声や、家族などの証言、そしてアルフレッド・ヒッチコックやトッド・ヘインズ、ヴィム・ベンダースらが映画化した作品の映像を織り交ぜながら、ハイスミスの謎に包まれた人生に新たな光を当てている。あの時代にレズビアンとして生き、自伝的小説『キャロル』の原作も生みだした。しかし、名の知れた彼女でも当時はカミングアウトは難しく、最初は別名で出したそう。この作品を観て1950,60年代にはすでに同性愛者のコミュニティ的なもの、女性たちが集まる店もあったんだと知った(暁)。


2022年/スイス、ドイツ/英語、ドイツ語、フランス語/88分/カラー・モノクロ/1.78:1/5.1ch  
字幕:大西公子 
後援:在日スイス大使館、ドイツ連邦共和国大使館
配給:ミモザフィルムズ
公式サイト:https://mimosafilms.com/highsmith/
★2023年11月3日(金・祝)より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開/strong>
posted by sakiko at 10:05| Comment(0) | スイス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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