2023年10月01日

リバイバル69~伝説のロックフェス~(原題:Revival69: The Concert That Rocked the World)

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監督:ロン・チャップマン
出演:ジョン・ブラウワー、シェップ・ゴードン、ロビー・クリーガー、ジョン・レノン、オノ・ヨーコほか

1969年9月13日(土)、カナダ トロント大学構内にあるヴァーシティ・スタジアムで音楽フェスティバルが開催された。その構想、準備から始まり、紆余曲折の末開催にこぎつけるまでの舞台裏が明かされる。企画・運営したのは弱冠23歳のケン・ウォーカーと22歳のジョン・ブラウワーだ。フォークソング全盛のときに、ロックン・ロールのレジェンドたちに人気の若手、シカゴやドアーズを加えたこれまでにないフェス「トロント・ロックンロール・リバイバル」!観客は数万人を予定。大評判になるはずが、チケットが売れない。出資者たちが手を引いていくのをなんとか止めなければ!これまでの人脈を駆使して、導かれたアイディアは「ジョン・レノンを呼ぼう!」。なぜならジョン・レノンはチャック・ベリーやリトル・リチャードのファンだから。 
残された1時間弱のドキュメンタリー映像に、当時の関係者のインタビューを加えてドキュメンタリーが完成した。

ドタバタの舞台裏はもう綱渡りの連続、当事者の心中を思って胃が痛くなりそうでした。
トロントをめがけて続々と集まってくる新旧ロックファンたち。大観衆を前にした、大御所たちのステージは圧巻です。全盛期からしばらく経っていますが、かつてのライバルたちとの共演で本気度が伝わってきます。懐かしいヒット曲をたくさん聞けました。この人が歌っていたのか!と嬉しい映像です。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)で、消滅の危険を脱したマーティがギターをかき鳴らし歌っていたのがチャック・ベリーの曲です。
まだ無名のロッカーだったアリス・クーパーほか、バックバンドを担った若いミュージシャンたちの映像が残っています。舞台の上のスターたちも会場もほんとに楽しそうですが、運営側はジョン・レノンの到着を今か今かと冷や汗かきつつ待っています。
鳴り物入りの登場とよくいいますが、この場面も必見。ビートルズの面々と離れてヨーコと穏やかに暮らしていたジョンは、このときまだ28歳。長髪と伸ばした髭でずいぶんと大人と思っていましたが、ヨーコを守り守られる繊細な青年でした。緊張している彼を初めて観ました。
ロック青年たちには超貴重な映像満載、お見逃しなく。(白)


「カナダのウッドストック」とも呼ばれているロック・フェスだそうです。
チケットが売れず、開催直前にジョン・レノンに参加のOKを貰うも、当日の朝、気分が悪いから花を贈って!とは、ジョン・レノンも自分の存在意義を認識していない?? そのジョン・レノンをベッドから飛び起きさせた人物とは?(どうぞ劇場でご確認を!)
このところ60年代の音楽シーンを扱った映画が多くて、中でも大好きだったビートルズ関連は、当時の様々な裏側を知ることができて面白いです。
ジョン・レノン 音楽で世界を変えた男の真実
コンサート・フォー・ジョージ
ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド

戦地で多くの人が死んでいるのに、「ベトナム戦争反対!」とは舞台で言えない時代で、それでもオノ・ヨーコが断末魔のような叫びで平和を訴え、引いた人も多かったとか。
このロックフェスを懐かしく思い出す黒人の女性が、観客はほとんどが白人で、逆に怖かったと語っていました。60年代末のカナダは、そんな状況だったのですね。
いろんな意味で、とても興味深い映画でした。(咲)



2022年/カナダ、フランス/カラー/97分
配給:STAR CHANNEL MOVIES
(C)ROCK N' ROLL DOCUMENTARY PRODUCTIONS INC., TORONTO RNR REVIVAL PRODUCTIONS INC., CAPA PRESSE (LES FILMS A CINQ) 2022
https://revival69-movie.com/
★2023年10月6日(金)ロードショー

posted by shiraishi at 18:38| Comment(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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