2023年09月17日
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド 原題:Travelin’ Band Creedence Clearwater Revival at The Royal Albert Hall
たった4年の活動期間でアメリカン・ロックの歴史を変えた名バンドが頂点を極めるまでの軌跡を映像と音楽で辿ったドキュメンタリー。
1959年にハイスクールの友人だったジョン・フォガティ(ギター、ヴォーカル)スチュ・クック(ベース)ダグ・クリフォード(ドラムス)にジョンの兄トム・フォガティ(ギター)が合流してザ・ブルー・ヴェルヴェッツを結成。何度かバンド名を変更した後、1967年にクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)として再スタート。「プラウド・メアリー」「ボーン・オン・ザ・バイヨー」「トラヴェリン・バンド」「バッド・ムーン・ライジング」「グリーン・リヴァー」「雨を見たかい」など、数々のロックの名曲を生み出し、1960年代後半アメリカを代表するバンドのひとつとなり、“愛と平和の祭典”ウッドストック・フェスティバルにも出演した。
本国アメリカを制覇し、1970年1月、初のヨーロッパ・ツアーに赴く。オランダ、ドイツでの公演を経て行われたのが4月14日・15日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたライヴ。
当時世界で一番人気のあったザ・ビートルズを打倒するという意気込みでイギリスに乗り込むが、なんとライヴ数日前にポール・マッカートニーがザ・ビートルズを脱退! ザ・ビートルズの解散により、CCRは名実共に世界のトップ・バンドとなったのだ。
ビートルズ解散4日後の1970年4月14日にロイヤル・アルバート・ホールで行われたライヴは撮影・レコーディングされたが、作品として発表されることなくずっとロンドンの倉庫にひっそりと保管されてきた。半世紀の年月を経て、遂に本作で公開されることになった。
こうして、世界のトップ・バンドになったCCRだったが、楽曲のほとんどを作曲し、サックスからピアノまで自分で演奏するジョンの才能に注目が集まりすぎたためにメンバー間の軋轢が生じ、71年1月にバンドのマネージャーも兼任していたトムが脱退。同年の「雨を見たかい」はビルボード8位となったが、72年10月にバンドは解散した。
60年代半ばから後半にかけての中高生時代、ラジオで洋楽を聴きながら勉強していた私。
聴いて心地よかったのは、ビートルズ、ビージーズ、モンキーズ、サイモン&ガーファンクル、ギルバート・オサリバン、エルヴィス・プレスリー そしてブラザーズ・フォアやPPMなどのフォーク。
ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、スティーヴィー・ワンダーなどは苦手。クィーンが出てきた頃には、ラジオも聴かず、洋楽も聴かなくなってました。
そんな私にとって、CCRは、かろうじてリアルタイムで聴いたバンド。CCRなどと略さず、早口言葉のように「クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル」と言っていたものです。でも、当時はどんなメンバーなのか、どこの出身なのかなど、何も知りませんでした。
本作で、CCRの結成に至る経緯や、メンバーの素顔を知ることができ、懐かしい「Proud Mary」「I Put a Spell on You」などの曲を聴くこともできました。何より圧巻は、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ。思いのほか、合間のトークは少なくて、最後の曲が終わって、15分ものスタンディング・オヴェーションと拍手が続いたのに、再度舞台に登場することはありませんでした。アンコールは行わないというバンドのポリシーだそうですが、ちょっと寂しい気がしました。それが粋という彼らなりのスタンスなのでしょうか・・・ (咲)
★CDアルバム(発売中)
『ライヴ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール』
ユニバーサルミュージック UCCO-45005
https://www.universal-music.co.jp/ccr/
2022年/86分/アメリカ/字幕(歌詞全訳):林かんな
配給:オンリー・ハーツ
公式サイト: http://ccr.onlyhearts.co.jp
★2023年9月22日(金)角川シネマ有楽町・ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次公開
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