2023年08月20日
春に散る
監督:瀬々敬久
原作:沢木耕太郎
脚本:瀬々敬久 星航
撮影:加藤航平
音楽:田中拓人
主題歌:AI「Life Goes On」
出演:佐藤浩市(広岡仁一)、横浜流星(黒木翔吾)、橋本環奈(広岡佳菜子)、山口智子(真田令子))、窪田正孝(中西利男)、片岡鶴太郎(佐瀬健三)、哀川翔(藤原次郎)、坂東龍汰(大塚俊)、松浦雄一郎(山下裕二)、尚玄(郡司)、奥野瑛太(原田)、坂井真紀(黒木和美)、小澤征悦(翼会長)
元ボクサーの広岡仁一は、40年ぶりに故郷に戻った。不公平な判定負けをして引退を決め、アメリカで事業を興して成功したものの、心の中はくすぶったままだった。所属したジムに挨拶し、かつての仲間に会いに行く。家族もない佐瀬健三と藤原次郎に同居しないかと声をかける。
黒木翔吾は広岡と同じように判定負けし、ボクシングをやめて荒れた生活を送っていた。酔客に絡まれた広岡の鮮やかな技に、自分も挑んでみるが一発で気を失ってしまった。
翔吾は広岡の居場所を探し出し、「今しかない!指導してほしい!」と懇願する。広岡が根負けして粗削りの翔吾を鍛え直すうちに、夢など諦めていた周りの人々にも熱意が伝染していく。
原作は沢木耕太郎氏。朝日新聞に2015年4月1日から2016年8月31日まで連載されていました。毎日読んだはずがすっかり忘れてしまっていて、新鮮な気持ちで映画を拝見しました。
夢破れた元ボクサー、広岡が主役なのですが、どうしても今ボクサーとしてリングに上がる若者たちに目が引きつけられます。流星さんは実際にプロテストに挑戦して合格したそうですし、細マッチョな窪田正孝さんと同じく、シックスパットくっきりの筋肉も美しいです。どれほどトレーニングしたのでしょう。その成果が表れた試合がもうすごくリアルです。顔を打たれるところは「顔はやめて~」と言いたくなるし、音もバスバス入っているし(効果音足している?)痛そうで見ていられません。格闘技ファンはきっと血が沸き立つんでしょうね。
若い頃、広岡と同じ夢を見た仲間の健三と次郎の、尾羽うち枯らした姿。今が盛りと上り詰めてゆく若い人たち。明らかに順位があり、トップに立てるのはただ一人の勝負の世界に挑むことの難しさ、厳しさ。全力を尽くして敗れた側も、納得のゆく判定ならば潔く引くことができます。結果に納得のいかなかった2人が出会ったことで、それぞれの花道ができました。
youtubeのギャガ公式チャンネルで、元チャンピオンに指導を受けている動画が公開されています。こちら。ボクシング指導でおなじみ松浦雄一郎さん(出演も)と坂東龍汰さんも後ろで見守っています。(白)
2023年/日本/カラー/シネスコ/133分
配給:ギャガ
(C)2023映画「春に散る」製作委員会
https://gaga.ne.jp/harunichiru/
★2023年8月25日(金)ロードショー
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