2023年08月06日

アウシュヴィッツの生還者  原題:The Survivor

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監督:バリー・レヴィンソン(『レインマン』 『グッドモーニング,ベトナム』)
出演:ベン・フォスター(『インフェルノ』)、ヴィッキー・クリープス、ビリー・マグヌッセン、ピーター・サースガード、ダル・ズーゾフスキー、ジョン・レグイザモ、ダニー・デヴィート

1949年、ナチスの収容所から生還したハリー・ハフトは、アメリカに渡り「ポーランドが誇る、アウシュヴィッツの生還者」を宣伝文句にボクサーとして活躍していた。それは、生き別れになった恋人レアに自分の生存を知らせることが目的だった。記者の取材に、「自分が生き延びることができたのは、ナチスが余興のために催した賭けボクシングで、ユダヤ人同士で闘い勝ち続けたからだ」と告白し、「裏切り者」と呼ばれながらも注目をあびる。強豪選手との対戦もレアに気が付いて貰えることを期待して引き受けるが敗退。レアも見つからず、引退を決め、レア探しに尽力してくれた移民サービスに勤めるミリアムと結婚する。それから14年、二人の子供にも恵まれるが、ミリアムにすら打ち明けられない秘密に心をかき乱されていた。そんな中、レアが生きているという報せが届く・・・

アウシュヴィッツからの生還者の息子が、父ハリー・ハフトの半生を書き上げた小説の映画化。
2022年7月22日に日本公開された『アウシュビッツのチャンピオン』は、ボクシングチャンピオンだったために強制収容所に収監されたタデウシュ・ピトロシュコスキを、司令官たちの娯楽としてリングに立たせて闘わせた実話に基づく映画でした。負けた相手には死が待っていました。本作の主人公ハリーも、自分が生きるために同胞を何人も死に追いやったことがいつまでもトラウマになっていたのです。戦争という非常時だったにしても、一生、心の中の傷として残ること、そして、それは誰にも言えないこと。戦争体験者で地獄を見た人ほど口を閉ざしているのは、日本でもほかの国でも同様だと思います。
そして、本作では戦争で愛する人と別れることになってしまったことも大きなテーマになっています。ハリーは恋人レアをナチスに連れ去られ、生き別れ。ニューヨークの政府機関「移民サービス」で、行方不明の家族や友人を再会させる仕事をしているミリアムもまた、戦争で婚約者を亡くしています。戦争さえなければ・・・という思いを、どれほど多くの人が噛みしめていることでしょう・・・ (咲)



2021/カナダ・ハンガリー・アメリカ/英語・ドイツ語・イディッシュ語/129分/ カラー/スコープ/5.1ch/
字幕翻訳:大西公子
提供:木下グループ 
配給:キノフィルムズ
公式サイト:https://sv-movie.jp/
★2023年8月11日(金・祝)新宿武蔵野館ほか公開.



posted by sakiko at 13:32| Comment(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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