2023年07月30日

インスペクション ここで生きる   原題:The Inspection

inspection.jpg
(C)2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.

監督・脚本:エレガンス・ブラットン
出演:ジェレミー・ポープ、ガブリエル・ユニオン、ラウル・カスティーヨ、マコール・ロンバルディ、アーロン・ドミンゲス、ボキーム・ウッドバイン

イラク戦争長期化の兆しが見え始めた2005年のアメリカ。フレンチは16歳の時にゲイであることから母に追い出され、10年間ホームレス生活を送っていた。生きるために海兵隊への入隊を決意し、出生証明書を貰いに10年ぶりに母を訪ねる。花束を持って現れた息子の入隊を母は猛反対する。だが、フレンチの決意は固かった。やがて3か月に及ぶ訓練が始まる。初日から教官の過酷なしごきに遭う。ある日、フレンチがゲイであることが判明し、教官からのしごきはさらに激しくなる。軍隊では、ジェンダーや信仰に対する理解などないのだ。仲間たちからも陰湿な嫌がらせを受けるようになるが、フレンチはめげずに理不尽な差別や偏見に立ち向かっていく。彼の信念は、徐々に周囲の意識を変えていく・・・

エレガンス・ブラットン監督自身の経験に基づく物語。クィアであり黒人であることから受けた様々な辛い体験。そんな中で、自分を奮い立たせ、周りの意識まで変えることの大変さ。意思の強さで世の中を変えていくことが出来るのを本作は教えてくれます。
海兵隊採用試験で優秀な成績だった監督が、最初に採用担当者から提示されたのは、諜報の仕事。密告者は嫌だと断り、次に従軍記者を薦められるも、自己主張が強いので向いていないと断り、次に言われたのが、映像記録の仕事。それが結局、フィルムメーカーとしてのキャリアの始まりでした。その才能を見出したのが、革新的な作品を次々と送り出してきた映画会社A24。
ゲイであることをなかなか受け入れてくれなかったお母さまは映画製作中に亡くなられたとのこと。完成した本作をお母さまがご覧になれば、いかに監督がお母さまを愛していたかを知ることができたのにと残念です。(咲)


2022年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/5.1ch/95分/R15+
日本語字幕:松浦美奈
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:http://happinet-phantom.com/inspection/
★2023年8月4日(金)TOHO シネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国公開



posted by sakiko at 16:16| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください