2023年07月21日

裸足になって  原題:Houria

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監督:脚本:ムニア・メドゥール
製作総指揮:トロイ・コッツァ―
撮影:レオ・ルフェーブル
出演:リナ・クードリ(フーリア)、ラシダ・ブラクニ(サブリナ)、ナディア・カシ(ハリマ)、アミラ・イルザ・ドゥアウダ(ソニア)、メイエム・ムジカネ(アメル)、ザーラ・ドゥモンディ(サナ)、サラ・グエンドゥス(ナスラ)

北アフリカのアルジェリア。内戦後の傷の癒えない世の中で、バレエダンサーを目指すフーリアは男に階段から突き落とされて大怪我をし、前のように踊れないばかりか、口がきけなくなる。将来の夢を断たれた失意の中、フーリアはリハビリ施設でろう者の女性たちに出会った。手話で自由に会話する彼女たちに「ダンスを教えて」と請われ、今の自分ができることに気がつく。これまでとは違う、心のままに身体を動かす喜びを知り、一緒にダンスを作り出していく。

2019年製作の『パピチャ 未来へのランウェイ』リナ・クードリのムニア・メドゥール監督が、再びリナ・クードリを主演に送り出した新作です。舞台は内戦の傷がいまだ疼いているアルジェリア。事故というより、元兵士による傷害事件。悪くしたら死んでいたかもしれない、と思ってしまうのですが、警察が本気で捜査しているとは思えません。内戦後の事情もあり人心も殺伐とした時代だったのでしょう。
ヒロインのフーリアは、もう一度生きる力を取り戻していきます。傷ついたアルジェリアという国が、立ち上がる姿を重ねているようです。それも、男性優位の国で自由を制限されている弱い立場の女性たちが力を合わせて。声を上げられないろう者の人たちも、自分の想いを表明し、伝えることができます。
製作総指揮のトロイ・コッツァ―は『コーダ あいのうた』で、耳の聞こえない父親・フランク役を演じ、ろう者の俳優として初めてアカデミー助演男優賞を受賞しました。手話がもう一つの言語として、認識され、広まっていきますように。(白)


2022年/フランス・アルジェリア合作/カラー/シネスコ/99分
配給:ギャガ
https://gaga.ne.jp/hadashi0721/
★2023年7月21日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 23:39| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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