2023年07月14日

わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏

watasitatino.jpg

製作・監督・撮影・録音・編集:大墻敦
録音・照明:折笠慶輔
録音:梶浦竜司
カラーグレーディング:堀井威久麿
音楽:西田幸士郎
演奏:閑喜弦介(クラシックギター)、多久潤一朗(アルトフルート)

2016年、ル・コルビュジエ建築の世界遺産に登録、東アジア最高峰の西洋美術の殿堂「国立西洋美術館」。
2020年10月、前庭を創建当時の姿に整備するため、休館となった。この間に大墻敦監督のカメラが入り、美術館の舞台裏を撮影が始まった。1年半にわたって密着取材、これまで見ることができなかった「あれやこれや」にフォーカスしたドキュメンタリーが完成した。

上野に行く用と言えば、美術館と博物館。おとなしく展示を拝見していて、その内部は知ることもなく数十年。海外の美術館のドキュメンタリーを観るたび、日本のも観たい、できないかなぁと待っていました。大墻監督、ありがとうございます!
あの有名な彫刻の台座の中はこんなだったのか!名画はこんな風にしまわれていたのね!美術品を購入するための会議!?などなど。目からうろこが何枚落ちたことでしょう。中でも美術館の学芸員さんたちが西洋美術への愛を語るところは、「推し活」と近いものがあります。親近感湧きました!
前庭の彫刻たちがぐるぐる巻きされて、クレーンで釣り上げられるシーンは、思わず口を開けて見てしまいました。休館中には修復だけでなく、開館へ向けての準備の傍ら、作業も山積みです。予算と人手の少ない中、やりくりするお仕事ドラマとしても観られます。「わたしたちの」とついたタイトルに、「国立」をあらためて認識した次第。(白)


JR上野駅公園口を降りて、上野の森のあちこちに行く時には、国立西洋美術館の前庭を横切っていくのが楽しみでした。植込みの中にロダンの彫刻「考える人」や「カレーの市民」の佇む姿がとても好きでした。
上野駅公園口の改札の位置が鶯谷寄りにずれて、改札の前に大きな広場ができて、以前のように信号を待つことなく公園に行けるようになりました。改札を出てまっすぐに行った右手が国立西洋美術館。修復が終わり、やっと前庭を抜けられると思ったら、植込みがすっかりなくなっていてちょっとがっかりしました。この映画を観て、植込みのない前庭がル・コルビュジエの構想だったと知りました。コンクリートの前庭の下は美術館の展示室。しっかりとした防水を施したものなのです。思えば、植木に水やりはご法度だったのですね。
企画展が混んでいる時でも、常設展はのんびり観ることができます。木曜・金曜は夜8時まで開館。ぜひ一度修復された国立西洋美術館にいらしてみてください。もちろん、その前に、この映画をご覧になって予習を!(咲)



国立西洋美術館公式サイト https://www.nmwa.go.jp/jp/

2023年/日本/カラー/105分
配給・宣伝:マジックアワー
©︎大墻敦
https://www.seibi-movie.com/
★2023年7月15日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

posted by shiraishi at 22:36| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください