2023年06月25日

絶唱浪曲ストーリー   英題:With Each Passing Breath

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©Passo Passo + Atiqa Kawakami

監督・撮影・編集:川上アチカ
プロデューサー:赤松立太、川上アチカ、土田守洋
アソシエイトプロデューサー:秦岳志、藤岡朝子、矢田部吉彦 
編集:秦岳志 整音:川上拓也 カラリスト:西田賢幸
本編タイトル:大原大次郎 写真撮影:五十嵐一晴
出演:港家小そめ 港家小柳 玉川祐子 沢村豊子 港家小ゆき 猫のあんちゃん 玉川奈々福 玉川太福 ほか

落語、講談と並び寄席演芸を支える浪曲。
浪曲師の独特の唸り声、エモーショナルな節回し、キレのよい啖呵。曲師の三味線とのスリリングなインタープレイ・・・
今、平成生まれの浪曲師や曲師が育ち、女性の演者が増えている。
本作の主人公は、そんな浪曲の世界に飛び込んだ港家小そめ。伝説の芸豪・港家小柳に惚れ込み弟子入りした小そめが、晴れて名披露目興行の日を迎えるまでの物語。
映画のもう一つの主役は関東唯一の浪曲の常打ち小屋である木馬亭。東京大空襲で焼け残った浅草の奥山おまいりまち商店街にある建物が1970年に改修されて浪曲の定席となって半世紀。かつてメリーゴーランドがあったことが名前の由来。
木馬亭の舞台裏では、さまざまな人生が交錯し、ベテランから若手へと芸が継承されていく・・・

そも、浪曲とは何かを知りませんでした。
公益社団法人浪曲親友協会のサイトの冒頭に
浪曲(ろうきょく)とは、明治時代初期から始まった演芸の一つ。
「浪花節」(なにわぶし)とも言い、三味線を伴奏に用いて物語を語ります。

とあります。 さらに詳しくは、https://www.rokyokushinyu.org/

浪花節と聞けば、義理人情に厚い世界を思い浮かべます。
川上アチカ監督は港家小柳に惚れ込み、8年の歳月をかけて、この人情味に溢れた世界を追い、本作を完成させました。
港家小そめは、浪曲師・小柳に弟子入りする前、ちんどん屋に弟子入りし、ちんどん屋として旗揚げしています。浪曲もちんどん屋もどちらも大事にしている小そめの姿が眩しいです。
継承する担い手がいなくなれば途絶えてしまう伝統文化。映画として後世に遺したことは、とても意義あること。触発されて、浪曲の世界に飛び込む若い人が増えることを願います。(咲)


監督 川上アチカ(かわかみ・あちか)
1978年、横浜生まれ。横浜市立大学卒業。初監督作、日系アメリカ人の強制収容経験を題材にした『Pilgrimage』で「キリンアートアワード2001」準優秀賞を受賞(※川上紀子名義)。以来、フリーの映像作家としてドキュメンタリー、音楽家とのコラボレーション、ウェブCM、映画メイキング等、幅広く制作。戦争を生き残った祖父を一人きりで死なせてしまった後悔から、2004年より6年間、舞踏家大野一雄氏の最晩年に病床でカメラを回し命を見つめる稽古を受ける。その後、浪曲や河内音頭の芸能者を記録した短編ドキュメンタリー『港家小柳IN-TUNE』(15)、『鈴の音のする男』(16)、『河内の語り屋』(18)を発表。本作『絶唱浪曲ストーリー』は初の長編ドキュメンタリー映画となる。
(公式サイトより抜粋)

◆東京・ユーロスペース 舞台挨拶予定
7月1日(土) 10:30の回/12:50の回上映後、川上アチカ監督による舞台挨拶(各15分間)
7月2日(日) 12:45の回上映後、玉川祐子さん・港家小そめさん・川上アチカ監督によるトーク(30分間)


◎「浪曲映画祭─情念の美学2023 完結篇」で先行上映されました。
2023年6月23日(金)~6月26日(月)
http://eurolive.jp/#000317


2023年/日本/111 分/DCP/ドキュメンタリー
配給:東風  協力:木馬亭 (一社)日本浪曲協会 
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
公式サイトhttps://rokyoku-movie.jp/
★2023年7月1日(土)より、東京・ユーロスペースほか全国順次公開



posted by sakiko at 16:31| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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