2023年06月24日

マルセル 靴をはいた小さな貝(原題:Marcel the Shell with Shoes On)

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監督:ディーン・フライシャー・キャンプ
脚本:ディーン・フライシャー・キャンプ、ジェニー・スレイト、ニック・パーレイ、エリザベス・ホルム
キャスト:ジェニー・スレイト(マルセル/声)、イザベラ・ロッセリーニ(マルセルの祖母コニー/声)、ディーン・フライシャー・キャンプ(アマチュア映画作家ディーン)、レスリー・スタール(CBS「60ミニッツ」キャスター/本人役)

貝のマルセルは体長2.5センチ。貝は普通20匹以上のコミュニティで暮らすのに、祖母のコニーと一軒家でふたりきり。前の住人のカップルは喧嘩して出て行った。コミュニティの家族たちもいなくなった。どこにいるんだろう?
ある日家に映像作家のディーンが越してきた。おしゃべりで好奇心でいっぱいのマルセルはディーンと話すのが楽しみだ。ディーンがマルセルの動画を撮ってYouTubeにアップすると、SNS上で人気者になってしまった。SNSでバズったはいいがひと騒動起こってしまった。家族を探したいマルセルの望みは叶うのか?!?

マルセルの一つ目に最初違和感がありましたが、声や話し方が可愛くて観ているうちに気にならなくなりました。あまりにディーンとのやりとりが上手なのでどんな人がと思ったら、コメディの上手な女優のジェニー・スレイトが脚本にも関わり、声を当てています(アドリブも多いようです)。おばあちゃんの声があのイザベラ・ロッセリーニというのにもびっくり。
元はディーン・フライシャー・キャンプ監督と、ジェニー・スレイトが2人で作ってYouTubeにアップした短編で、2010年から14年まで少しずつ発表したものが大好評を博し、長編となりました。人間パートの実写の映像をまず作ったところに、コマ撮りのマルセルやコニーの映像を合わせて一つにしていくのだそうですが、後でのせた映像がしっくりなじんでいるのを見ると、どれだけ大変なことだったか気が遠くなりそうです。影ひとつとっても動きにつれて動くものですし、完成までに7年もかかったというのが納得です。熾烈な北米配給権の争奪戦を制したのは、A24、アカデミー賞を総なめにした『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(ジェニー・スレイトも出演)を送り出した会社です。
主人公のマルセルは、小さな世界の中で生きてきましたが、新しい世界への好奇心にあふれ、飛び込む勇気を振り絞ります。そのときに応援してくれるのはコニーおばあちゃん。このおばあちゃんとのやりとりにグッときます。いろいろな体験を通して迷ったり進んだりするマルセルを見守ってください。(白)


第50回アニー賞:長編インディペンデント作品賞・長編作品声優賞・長編作品脚本賞を受賞
第95回アカデミー賞:長編アニメーション賞にノミネート
第80回ゴールデングローブ賞:アニメ映画賞ノミネート

2021年/アメリカ/カラー/90分
配給:アスミック・エース
(C)2021 Marcel the Movie LLC. All Rights Reserved.
■公式サイト:marcel-movie.asmik-ace.co.jp/
■公式Twitter:@Marcel_movie_JP
■公式Instagram:@marcel_movie_jp
★2023年6月30日(金)新宿武蔵野館・渋谷ホワイト シネクイントほか全国公開
posted by shiraishi at 11:21| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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