2023年06月24日
オレンジ・ランプ
監督:三原光尋
原作:山国秀幸「オレンジ・ランプ」 (幻冬舎文庫)
脚本:金杉弘子、山国秀幸
撮影:鈴木周一郎
音楽:宮崎道
主題歌:THE CHARM PARK「セルフノート」
出演:貫地谷しほり(只野晃一)、和田正人(只野真央)、伊嵜充則(佐山隆裕)、山田雅人(加藤光雄)、赤間麻里子(藤本和子)、赤井英和(島崎社長)、中尾ミエ(飯塚さゆり)
妻・真央や二人の娘と暮らす39歳の只野晃一は、充実した日々を送るカーディーラーのトップ営業マン。そんな彼に、顧客の名前を忘れるなどの異変が訪れる。下された診断は、「若年性アルツハイマー型認知症」。驚き、戸惑い、不安に押しつぶされていく晃一は、とうとう退社も決意する。心配のあまり何でもしてあげようとする真央。しかし、ある出会いがきっかけで二人の意識が変わる。「人生を諦めなくていい」と気づいた彼ら夫婦を取り巻く世界が変わっていく・・・。
仙台で車のセールスマンだった丹野智文さんの実話を元にしています。若年性認知症を抱えながら、仕事も続けていると話題になったのを覚えています。認知症と言えば負の面ばかりが取り上げられがちですが、映画の冒頭はまさにそれ。「若年性認知症」になったことで、本人や家族が大変だったことにフォーカスしたい取材者。期待している答えではないので、困り顔です。笑顔の只野夫妻ですが、シーンは発症したばかりのころに遡ります。貫地谷しほりさんと和田正人さんが好演です。
大変なことも潜り抜け、当事者を真ん中にできないことをフォローしていく家族。会社のトップ次第で上司や同僚にも恵まれました。どこもこんなにうまくいくとは思えないのですが、指針になります。ほかの家族、会社だってヒントにできるはず。
『ケアニン』シリーズのスタッフ製作と知ると、共通するところが「あるある」です。悲惨なことを穿り出すのでなく、明るさや優しさに満ちているところ。押しつけでなく人に寄り添うところ。
団塊の世代が次々と後期高齢者の仲間入りをしていき、2025年には5人に1人が認知症になると予想されています。そのときにこのオレンジ色の灯りが道しるべになっているかもしれません。それにしても、後半に登場する中尾ミエさん、「只者ではない感」ありすぎです。エンドロールにたくさんの人が登場しますが、ラストの1枚は只野さんご本人!(白)
2023年/日本/カラー/99分
配給:ギャガ
(C)2022「オレンジ・ランプ」製作委員会
https://www.orange-lamp.com/
★2023年6月30日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
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