2023年06月24日

NO LIMIT,YOUR LIFE ノー リミット,ユア ライフ

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監督:毛利哲也
音楽:mi-on
ナレーション:石原さとみ
出演:武藤将胤(むとうまさたね)、武藤木綿子(むとうゆうこ)ほか

学生時代はイベントを手掛け、「クレージーに行こうぜ!」が口癖だった武藤だった将胤(むとうまさたね)は、夢を形にするために大手広告代理店に就職した。伴侶となる武藤木綿子(むとうゆうこ)に出会ったころ、手の震えが始まっていた。2014年、27歳で告げられた病名は「ALS(エー・エル・エス)=筋萎縮性側索硬化症」。筋肉を動かす脳や脊髄にある運動神経細胞(運動ニューロン)が正常に働かなくなり、身体のあらゆる箇所の筋肉が萎縮する難病。徐々に手足だけでなく、発話すること、飲み込むこと、呼吸することができなくなる。いまだ原因不明で治療法も確立していない。
診断を聞いた武藤は一時落ち込むが、病名を知っても妻となった木綿子と共にあきらめずに戦い続けることを選択する。自分だけでなく、ほかのALSの患者たちともつながり、進行していく病状と向き合う。不便なことがあれば改善することを考え、アイデアを次々と形にしていく。毛利哲也監督は武藤と知り合ってから6年余り、夫妻の日常にも密着してその喜怒哀楽を撮り続けてきた。

「ALSを治る病気にするために行動し続けよう」と決めた武藤さんご夫妻。お洒落で行動的な武藤さんが、一つずつ身体の機能を失っていくところも、静かに映しとっています。病気は生活を一変させてしまい、小心者の自分などその始まりのところでくじけてしまいそうですが、お二人は果敢です。
増えてくる介護負担はヘルパーさんを頼み、使いやすい電動車椅子を探します。40歳未満には介護保険が適用されないので、必要な人たちのためにカーシェアを思いつくとクラウドファンディングで呼びかけ、資金を集めて4台を購入しました。いつも自分だけでなく、ほかの人にきちんと目を向けていることに感心しきり。足りないものを補うのに、熱意とアイディアと科学の進歩が大きな助けになります。
「Orihime」を開発したロボット研究者の吉藤オリィさんも登場しています。「Orihime」で、遠くの人や家から出られない人ともパソコンやスマホとは違った形で(動きも可愛い)コミュニケーションをとることができます。身体を持ったロボットを操作すれば、家にいながら働いて社会参加ができます(現在、実現しています)。
呼吸機能が低下していくと気管切開をして人工呼吸器をつけますが、声が出せなくなります。「音声合成アプリ」で自分の声を保存しました。目の動きとまばたきで発したい言葉を選ぶと、保存した自分の声からAIが合成してくれるのです。科学技術の進歩に驚きます。大好きな音楽を表現手段に、と目の動きで作詞作曲もDJもやっちゃいます。この厳しい病いに負けず、よりよく生きようと何度でも挑戦する姿に心揺さぶられます。
「やりたいことがまだまだたくさんあるから、これからも一緒に頑張ろう」と武藤さん、「頑張ろうね」と木綿子さん。自ら介護事業も立ち上げ、自分もその利用者です。「限界を突き破った未来、夢をあきらめない未来」のために、今も立ち止まることのない武藤さん、そして全てのALS患者のみなさんに応援を!!(白)


武藤将胤(むとうまさたね)
1986年 アメリカ・ロサンゼルス生まれ、東京育ち。
大学卒業後、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズで、様々なクライアントのコミュニケーション・マーケティングプラン立案や新規事業開発に従事。
27歳で難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたことをキッカケに一般社団法人WITH ALSを設立。
現在は、クリエイティブの力で「ALSの課題解決を起点に、全ての人が自分らしく挑戦できるBORDERLESSな社会を創造する。」ことをミッションに、エンターテインメント、テクノロジー、介護の3領域で課題解決に取り組んでいる。クリエイターとして、2021年東京パラリンピック開会式や2022年CANNES LIONSなど国際的イベントにも多数出演。
自身のアパレルブランドでは、視線入力によるデザインを担当。楽曲の作詞作曲も手掛け、EYE VDJ MASAとして、様々なアーティストとコラボレーション楽曲を制作。2021年に『EVERYONE,CHALLENGER』、そして2022年にリリースした『FLY』は、今作の主題歌となった。映画HPより

2022年/日本/カラー/99分
配給:東映エージェンシー
(C)2023テレビ朝日・フレックス
https://www.masatane.toeiad.co.jp/
★2023年6月23日(金)より絶賛公開中
posted by shiraishi at 09:18| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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