2023年05月28日

少年、機関車に乗る 2K レストア版 原題:Bratan

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監督:バフティヤル・フドイナザーロフ
出演:チムール・トゥルスーノフ、フィルズ・サブザリエフ

フドイナザーロフ監督 26 歳のデビュー作。
セピア色で描かれた、歳の離れた兄弟のロードムービー。

祖母と暮らす17 歳 のファルーと 7 歳のアザマット兄弟。 ファルーは弟を連れて機関車の運転席に乗せてもらって、遠い街で暮らす父に会いにいく。途中、運転士ナビの家で止まって着替えや食べ物を受け取ったり、トラックと競争したりしながら、大平原をひたすら走って父のいる街に着く。父は医師だという女性と暮らしていた。二日後、弟を父たちに託し、ファルーは戻ってきた機関車に乗って、祖母のもとに帰る・・・

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(もう少し詳しく!)
17歳のファルーは、刑務所に酒やヤクを投げ込んで日銭を稼いでいるが、この仕事はもう無理だと感じている。
お祖母ちゃんに、7歳の弟アザマットを連れて父に会いに行くというと、「弟を預ける気ね」と見透かされる。
亡き母のイヤリングをシャツのポケットにつけるファルー。
植木鉢の土を食べる弟に、「土を食べるなとあれほど言ったのに」と呆れる。
いよいよ出発。
機関車の運転台に乗せてもらう。
大平原を行く機関車。
途中、線路の上に細い橋が渡された住宅のところで止まる。
運転士ナビの家。 我が子に声をかけ、着替えや食べ物を受け取る。
平行して走るトラックと速さを競う。
アラル駅。民族衣装の女性たちが糸を紡いでいる。
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ポットをたくさん持った男性が乗ってくる。
途中で絨毯とポットを交換する。
列車に石を投げてくる少年たち。
町の端っこの駅に着く。
綺麗な若い女性が二人乗ってくる。
次の駅で、ナンと葡萄を食べる運転士。
連結の具合を直すのに1時間かかると、休憩。
アザマットは、女性が貨車の中で服を脱いでいるのを覗き見てしまう。
運転士が戻らないのに、機関車を動かすアザマット。
運転士があわてて追いかけてくる。
父の住む街に着く、
二日後に戻ってくる機関車に乗せてもらう約束をする。

街では、外で映画を観ている人たちや、通りで絨毯を洗う人たちを見かける。
父と会う。
一緒に暮らしている女性は医師だという。

父が聖者の墓に連れていってくれる。
石を山のように積んだ墓の周囲をぐるぐる回りながら石にキスする人たち。

父に弟の面倒を見てほしいと頼むが、うんと言わない。
ボート遊びする弟とネリー(父の彼女)に近づこうとした父が湖に落ちるが、ファルーは助けない。
ここは嫌だという弟。

馬や自転車に乗って、競技する青年たち。
歌う青年がいたり、映画の真似をして演技したりする青年。

友達と殴り合いになって、母のイヤリングが付いたポケットがちぎれて落ちてしまう。
拾って、綺麗にして、一つを弟に渡し別れを告げる。
戻ってきた機関車に乗せてもらい、祖母のいる町に帰る・・・・


映画が作られたのは、ソ連が崩壊して、タジキスタンとして独立したばかりのころ。
公開当時に観て、わくわくしたことだけは覚えているのですが、物語はすっかり忘れていました。
ほとんどの場面がロシア語ですが、聖者の墓を守る導師に父が話しかけた時はタジク語でした。
ラストの場面に、ほっこりさせられました。
30年の時を経て、また観ることのできた幸せ♪ (咲)



1991 年マンハイム国際映画祭グランプリ、カトリック批評家賞、FIPRESCI賞
1992 年トリノ国際映画祭グランプリ
2022 年ヴェネツィア国際映画祭ヴェネツィア・クラシックス正式出品 他


1991 年/タジキスタン・旧ソ連合作/98 分/モノクロ/ 1:1.33/モノラル

再発見!フドイナザーロフ ゆかいで切ない夢の旅
公式サイト https://khudojnazarov.com/
主催・配給:ユーロスペース、トレノバ
★2023年6月3日(土)よりユーロスペースほか全国順次開催



posted by sakiko at 18:04| Comment(0) | タジキスタン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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