2023年05月14日
私のプリンス・エドワード(原題:金都/英題:My Prince Edward)
監督・脚本:ノリス・ウォン
出演:ステフィー・タン(フォン)、ジュー・パクホン(エドワード)、バウ・ヘイジェン、ジン・カイジエ、イーマン・ラム、カーキ・サム
香港のプリンス・エドワード地区の金都商場(ゴールデンプラザ)では、結婚衣装をはじめ結婚に関するものが格安で揃えられる。このモール内のウェディングショップで働くフォンは、写真館のオーナーのエドワードと同棲中。結婚を口にするエドワードだったが、フォンには彼に話していない秘密があった。10年も前に中国大陸の男性と偽装結婚をしていて、その後の離婚手続きが済んでいないことがわかったのだった。フォンは、周りに祝福されてエドワードのプロポーズを受けざるを得ず、離婚の手続きと結婚の準備を同時に進める羽目になってしまった。
「新世代香港映画特集2023」の1本。『縁路はるばる』と共にアラサー女性の結婚にまつわるお話。アメリカでグリーン・カードを手に入れるための苦労やドタバタを描いたアメリカ映画は観たことがありますが、香港映画では初めて見た気がします。それにしても友人と一緒にお金のために偽装結婚して、10年も?相手の居場所が不明だったということもあるけれど、これまで困ることはなかったのかしらん。
あっさり「夫」に再会してから、いつチェックの厳しいエドワードにばれるか観ていてヒヤヒヤしました。フォンを「ベイビー」と呼ぶ彼は、愛情深そうに見えますが、自分の囲いの中から女性が出るのを嫌うタイプです。甘えたい女性にはいいかもしれませんが、過ぎれば「うざい」。母親も息子にべったりで、結婚したらもっと不自由になりそうなフォン。さて、どうします?
2人の結婚観のちがいだけでなく、ビザや移民に憧れる大陸の男性の心情も見せています。『縁路はるばる』主人公のカーキ・サムが写真館の従業員としてこちらにも出演していました。
ノリス・ウォン監督の初長編作品。2020年の香港電影金像奨で新鋭監督賞、音楽賞を受賞しました。(白)
プリンス・エドワードって、どこ?と思ったら、漢字で書けば「太子」。尖沙咀から、彌敦道(ネーザンロード)をまっすぐ行ったどん詰まりが太子で、ちょっと手前の左手のビルのショーウィンドウにウェディングドレスが並んでいたのを思い出しました。そこが、この映画の舞台の金都商場。
プリンス・エドワードの地名は、アメリカ女性ウォリス・シンプソンと結婚するために王位を放棄したエドワード8世にちなんだもの。そこを舞台に繰り広げられる本作、人は、愛のためなら何を諦めることができるか? 逆に、愛していても、これは譲れない・・・ そんなことを考えさせられる物語です。
フォンは、偽装結婚した大陸の夫との離婚手続きをするために、福建省の省都・福州に赴くのですが、ここでの言葉は広東語でも普通話でもない福建語。いろいろな言葉が飛び交います。大陸の夫は、香港のIDが欲しくてフォンと結婚したので、IDが取れれば即、離婚すると応じてくれますが、なかなかスムーズにはいきません。そんな折、大陸の夫の彼女が妊娠したことがわかり、未婚のまま産んだ子は無戸籍になってしまいます。こちらも、さて、どうする?です。
「結婚せずに済む女性は、デキる女とレズビアンだけだと思う?」というフォンの言葉も気になりました。ノリス・ウォン監督は、「結婚は幸せをもたらすか?」を、女性ならではの視線で本作を描いています。もちろん、答えはそれぞれ! 正解はありません。(咲)
2019年/香港/カラー/シネスコ/93分/5.1ch/映倫G
配給:活弁シネマ倶楽部
c2019 MY PRINCE EDWARD PRODUCTION LIMITED. All Rights Reserved.
https://enro.myprince.lespros.co.jp/#modal
★2023年5月19日(金)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
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