2023年05月04日
アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(原題:Armageddon Time)
監督・脚本:ジェームズ・グレイ
撮影:ダリウス・コンジ
出演:アン・ハサウェイ(母 エスター)、ジェレミー・ストロング(父 アーヴィング)、バンクス・レペタ(ポール)、ジェイリン・ウェッブ(ジョニー)、アンソニー・ホプキンス(祖父 アーロン)、ライアン・セル(兄 テッド)
レーガン政権が誕生した80年代のニューヨーク。ポールは公⽴学校に通う 12 歳。白人の中流家庭に生まれて何不自由なく育ってきた。母エスターはそこのPTA 会⻑を務めるほど教育熱⼼、⽗アーヴィングはまじめな働き者、兄のテッドは成績優秀で私立の学校へ通っている。母方の祖⽗アーロンは、ポールの良き理解者だった。
規律を重んじる学校生活はポールには息苦しく、クラスの問題児のジョニーとだけは打ち解けられた。ジョニーは黒人というだけで何かと差別をされ、自分とひき比べていろいろなことに気づいていくポール。2人の友情は、ポールが新しい学校に転校したことで変化していきます。
ジェームス・グレイ監督の子ども時代の体験を元に出来上がったストーリー。黒人に生まれたことで、これまで様々な体験をしてきたジョニーは、諦めることも知っていて大人びたところがあります。それに比べてポールは苦労がない分無邪気で、いたずらも些細なことと思っています。そのために騒動になってしまうのですが。
ジョニーとのことを祖父だけに打ち明けたポールは、「それは正しいことか」と問われます。世界は一つなのに、生まれ育ったところで差ができてしまう理不尽さ、人生の苦さにも気づいてしまいました。アーロンのようにどんな問いも受け止め、考えるすべを教えてくれる先達がいることは、なんと安心なことでしょう。これからの人生の羅針盤を得たようなものです。私もお爺ちゃんが大好きな子どもだったのを思い出しました。
第75回 カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品(2022年)。ジェームズ・グレイ監督作品はほかに『エヴァの告白』(13)『アド・アストラ』(19)(白)
2022年/アメリカ/カラー/シネスコ/115分
配給:パルコ ユニバーサル映画
(C)2022 Focus Features, LLC.
https://www.universalpictures.jp/micro/armageddon-time
★2023年5月12日(金)ロードショー
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